2022年4月の課題の棚卸し

雑記

アイキャッチの写真は本文と全然関係ないですが、2020年5月の緊急事態宣言下での新宿ゴールデン街です。気晴らしに自転車で新宿のほうをブラブラしていて、天気が良かったので写真を撮ってレタッチしたら異世界っぽい感じになっていて、こんなのあったなと思うのでまた上げておきます。

2020年GWの新宿の様子

ついでに、2020年GWに撮った新宿都心部の写真を、記録として上げときます。

TOHOシネマズ横(いわゆるトー横とは逆側、コマ劇前広場)は、ふだんはたくさん人がいるんですがかなり人影はまばら。

これも2020年のGWに撮ったやつですが、靖国通りがめちゃくちゃすいてます。

コマ劇前の狛犬。この時期、動物の像とかぬいぐるみはなぜかみんなマスクされてましたね。

大久保病院裏の広場。ここも人少ない。

新宿区役所のある区役所通りです。もはやミラーワールド。『仮面ライダー龍騎』の世界っぽいな、とか思った記憶があります。

これは花園神社とゴールデン街のらへんにある遊歩道です。ふだんの人通りはけっこう多いですがここもミラーワールド……。
戸山公園戸山地区のブランコ。これも2020年の最初の緊急事態宣言の頃によく見た光景です。今見るとめちゃくちゃ暴力的だな……とちょっと戦慄します。

最近の状況

今回は自分の近況を書きます。

会社をやめてフリーランスになって1年と4ヶ月経ちました。今思うのは、とにかくストレスフリーになった……ということです。会社員をやっていた間は、会社から求められることと、自分のやりたいことの方向性が途中からどんどんずれていってしまったので、それがけっこうきつかったなぁと。僕は編集やライティング、コンテンツ制作をやってきたので、マーケティングをすごく求められてそれが自分にとって非本質的だとしか感じられないものでした。まあ、しょうがないのかなと。よく出版業界の人たちに「Webに疲れた」と言ってましたが、なぜかめちゃめちゃウケてました。

それともうひとつ大きかったのが、2020年夏から再開した自分の連載「文化系のための野球入門」がなかなか書き進まず、これを何とか終わらせて出版まで漕ぎ着けないと、そもそも前に進めないなと思ったからでした。そのあたりも含めて、この1年4ヶ月でどう変化があったのかを書いておきたいと思います。

2021年:フリーランス初期〜年末まで

フリーランスになった初期(2021年初頭)は、収入がなくなるのが不安なので、仕事を受けまくっていました。前に僕がいたWeb業界の人にはあまりピンと来ないかもしれませんが、僕は編集・ライティングの仕事でこれまでの積み上げが実はけっこうあるので、「フリーランスになりました」というのを知人に伝えるだけで、色んなところから引き合いがありました。

でも何ヶ月か経って、会社にまつわるストレスがなくなったのはいいのだけど、とにかく仕事をずっとやっている生活になっちゃってるな〜〜と思うようになりました。要は、肝心の連載執筆がちゃんと進んでいなかったのです。

なので、去年の後半からだんだん仕事を減らして、ようやく2021年12月くらいから連載の執筆がメインにできるようになりました。

ところが、これもなかなか進まないという……結局、自分が書こうとしていることのために読んでおかないといけない文献や資料の数が思ったよりも遥かに多いということに気づきました。まあ年末年始〜2月くらいにかけておおむね何をすればいいのかはだいたい把握できていて、文献もかなり消化できたとは思います。

依頼されてやっている仕事のほうは、何でもかんでも受けるのはやめて、自分の好きな仕事だけしています。「Tarzan」とか「ダ・ヴィンチ」とかです。この2つは普通に好きなメディアなので……。

あと、実は2021年後半ぐらいから編集プロダクション的な仕事を企業から頼まれることもあったりして、そういうのもやりました。編集部の編成とコンテンツ制作みたいなやつです。これは名前は出せないのですが、自分がもともと好きな音声メディアのWeb関連の仕事です。

あとは、NPO法人ZESDAのプロジェクトとして『プロデューサーシップのすすめ』という本を夏に出したり、その姉妹編にあたる『グローカルビジネスのすすめ』という本の販促に関わったりしました。実はこの2冊は、内容をアップデートした新版を今後出すことになりそうです。

生活時間は、世間ではなく気分に合わせる

生活スタイルでいうと、やっぱり会社員だったときは決まった時間に働かないといけないというその一点でけっこう病んでいたと思います。縛られるのが嫌い……。ただフリーランスになってからも、会社員のクセが抜けきらずに、決まった時間に仕事をしていました。でも今はだんだん、自分の疲れのペースが予測できるようになってきたので、平日に休んだり、早く寝たりとかしてます。時間帯でいうと、だいたい朝から昼間、太陽の出ている時間に作業をして、日が落ちたらだいたいスローダウンしています。あと、夕方の時間には運動したりもしています。

仕事をしていて飽きてきたら筋トレをする、素振りをする、散歩をする、風呂に入る(銭湯やサウナに行くのも含む)などをしています。あと昼間に眠くなったら昼寝をするし、飽きてきたら午後は映像作品を観たりもします。平日昼間は買い物に行ったり、街をぶらぶらしたり、図書館に行ったりという行動もしています。フリーランスなのに平日昼間の空いている時間を活用しないのはもったいない、という結論に至りました。

フリーランスはいいな〜という感じですが、そうとも限らず、その代わり厚生年金とかないし、毎月の収入は全然安定しないので、そういう「不安定さ」みたいなのをあまり気にしないで「まあなるようになるだろ〜」と思える自分はやや特殊な部類の人間かもしれません。

スケジューリングが大事なので、事前の予定立てと振り返りをする

ひとつ会社員時代にちゃんとやっていなかったけど今やっていることとして、スケジューリングの時間をちゃんと作っています。「この日のこの時間にこの作業をする」というのを、事前にけっこう細かくGoogleカレンダーに入れる、それ自体を週に2〜4時間くらいは時間をとっていると思います。

いや、会社員でもこういうことやるんですかね……。僕は業務時間外にやるべきものだと思ってたんですが、スケジューリングは連絡を返すよりも超重要なので、今は業務時間内にやったほうがよかったなと思っています。ポイントはキツキツにしないことで、気合いの要る作業(原稿の作成やフィニッシュなど)は1日1個までにしたほうがいいかな〜とか思いました。

予測を立てたら、もちろんその予測はズレるのですが、ズレたら都度、Googleカレンダーを更新するようにしています。何にどれぐらい時間がかかったかをきちんとログに残しておくと、日記代わりにもなりますし、計画立てもだんだんうまくなる気がする、というのがやってみた感想です。

あと、自分で締切が決められるものは余裕を持ってスケジューリングする、でも早めに着手する、みたいなのを繰り返すとスケジュールの遅れが起こりにくくなる気がしました。20代まではわりと気合いで突破していて、それでもまあそこそこはできていたのですが、それだと頻尿とかカラダの不調が起きるので、今はやめてます。スケジューリングは都度メンテナンスが大事でその時間をちゃんととる、というのは、社会人の基本なのかもしれないですが、今まで誰からも習ったことがなく、自分もアホだったので、今ようやく学びました。

会社員生活で下請け根性が染み付いてしまった

1年、フリーランスをやっていて思ったのが、自分には下請け根性が染み付いてしまっていたということでした。PLANETS編集部にいた頃、いやその前から、僕はわりと自分で事業を作ってそれでお金を直接稼いでいたりしたんですよね……たとえばKindleとかYouTubeとか、かなり早い時期から取り組んでいて、そこできっかけをつくって、出版社に書籍化してもらってさらに倍々ゲームでマネタイズする、みたいなことを狙って、実際に実現できていました。PLANETSでもかなり起業家精神をもっていろんなことに取り組んでいたかなと思います。

でも、ちゃんと組織になってる会社に入って働いた結果、「自分で事業を起こす」みたいなことがすっかり頭の中から消えていきました。起業家精神みたいなのを持ってたときは、「これをこういうふうに雪だるま式にして売上を上げる」みたいなことをけっこう考えていたのですが、すっかり「頼まれた仕事だけやる」「取っ払いでもらうのが当たり前」みたいになってしまって、インセンティブ交渉みたいなことを全然しなくなってしまっていました。

その結果、「お金だけ貰って納品して後の結果は知らん」みたいな風に、知らず知らずのうちになっていました。そうなると、お金が倍々ゲームには全然ならないんですね。

もう10年近く前になりますが、Kindleの事業を始めたとき、最初に入ってきたお金の通帳の数字にびびりました。それまでほぼ無職だった僕にはとても想像できない、1ヶ月いくらバイトを頑張っても稼げない大金が、いきなり通帳の数字としてドカーンと入っているわけです。デジタル上の数字でしかないんですが、それがATMで引き出すと普通に引き出せる。すごいなと思いました。しかも、同じようなペースで毎月入ってくるんですよね。自分が何もしなくても。

それはビジネス経験のない自分が「楽にお金を稼ぐにはどうすればいいかな〜」といろいろ考えて、それでちゃんと結果が出たんですが、会社組織に入ってその柔軟な脳味噌がまったくなくなってしまった……。

そうなると自分にとって会社員経験って意味なかったんじゃないか、と思わなくもないですが、採用とか組織づくりとかベンチャー経営者が何を考えているかとかは感じ取れたということと、失敗しかしていませんがマネージャー代理的なことをやらせてもらったのは今はいい方向に働いている気もするので、その意味では「会社で働いてみて良かったなぁ」と思うときもけっこうあります。

執筆をどうするか

まあそういうことを考えるよりも今は執筆が最重要なのかなと思います。ライスワークの仕事をできるだけ調整して、執筆に専念できる時間を作り出すしかないです。執筆というのは、ある程度まとまった時間が必要なので、「午前中は別の取材仕事の準備して、午後は執筆に充てる」みたいなことが僕は全然できません。書いている内容も批評で、しかも作品批評ではなく、現実の歴史的事象を批評的に捉えるみたいな新しい領域をわざわざやろうとしているので、調べ物と、相互に一見関連のない事象につながりを見出すみたいな、閃きとかアイデアが必要です。それはインタビューをまとめるとか取材をもとに記事を書くとかよりも、簡単なようでいてよっぽど脳を使うのです。なので、やっぱり毎日の積み上げしかないのかなぁと思います。

(もし執筆が終わったら)今後考えたいこと

執筆が終わったら、それで精神的に疲弊しているかもしれないのですが、今後考えたいことはけっこうあります。ひとつは「起業家精神をまたゼロからつくる」みたいなことです。

実は、ハローワークのWebデザインの職業訓練学校に通おうかなと思っていて、それは途中までかなり進めていたのですが、いろいろ考えた結果、結局やめました。まずは執筆に専念して、なんとか終わらせるまではそういうことは進めないようにしよう、と。そういう先のことを変に考えているからよくないのだと。

で、国の公的な支援制度に頼るということはあってもいいと思いつつ、僕はいろいろ見聞きしたところ「強者」に分類されるみたいなのです。まあ、今でもビズリーチとかからはプラチナスカウト的なやつがバンバン来ますし、たしかに就職をしようと思えばできるのかもしれない。だったら就職支援とか頼る必要がない人なんじゃないのというふうには見られるらしく、それもそうかもしれない。頼るのであれば国の就職支援ではなく、もうちょっと大きなレベルでサポートしてもらうとかの方がいいのかな、というのは今ぼんやり思います。どっちにしても、まずは依頼されている仕事をさっさと終えて、そして執筆を終わらないとダメだな……と思います。それが終わってから次のことに本腰を入れて取り組むのが、自分にとってはいいのかなと思います。

(了)

編集者、ライター。1986年生まれ。2010年からカルチャー誌「PLANETS」編集部、2018年からは株式会社LIGで広報・コンテンツ制作を担当、2021年からフリーランス。現在は「Tarzan」(マガジンハウス)をはじめ、雑誌、Webメディア、企業、NPO等で、ライティング・編集・PR企画に携わっています。
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