野球における「ストレート」の解釈

雑記

毎週のように草野球の試合を行っているが、そこで思ったことをメモ的に書き残しておきたい。

投手にはストレートが重要とはよく言われる。実際に2023年のパ・リーグで投じられた12万球の球種別割合を見てみると、ストレート、カットボール、ツーシーム/シンカー、シュートを含むストレート系球種の割合は59.02%である。一方でワンテンポ違うスライダー、スプリット、チェンジアップの割合は33.94%、さらにもうワンテンポ遅いカーブの割合は6.88%である(総投球数は12万球超え。パ・リーグにおける今季の球種割合を調査してみた|パ・リーグ.com|プロ野球)。要はプロ野球で投じられる6割の球はストレート系ということになる。

ストレートは要はフォーシームなのだが、フォーシームの使い手として僕が1番すごかったと感じるのは上原浩治だ。上原はメジャーの最後のほうではストレートの球速は140km/h前後だったが、メジャーリーガーからバンバン空振りをとっていた。上原のストレートは回転数が多く、回転軸もほぼ垂直に近かったといわれる。

以前、「ストレートも変化球のひとつである」という話を聞いたことがある。ストレートというと速い球を投げられなければいけない気がしてしまう。たしかに、ボールをリリースしてからキャッチャーミットにおさまるまでの時間が短い方が打者も反応しづらいので、その意味でのスピードはあれば越したことはない。しかし、その時間が多少長くても、ストレートの回転数が多く回転軸が垂直に近くなればホップ成分が増す。

そうなったとき、変化球(たいていは多少落ちるボールが多い)を投げたときとで球の方向性がよりバラける。打者側は、ケアしなければいけないラインが縦に長くなる。

変化球というものはストレートとのバランスで効果が出てくる。ストレートがドローンとしていて、変化球も同じようにドローンとしていたら、そのふたつを投げ分けられたとしてもほとんど効果がない。打者がケアすべきゾーンが近くなってしまうからだ。

となると大半の速球派やパワー自慢ではないピッチャーは、速いストレートを目指すよりもホップ成分を増やすことを目標にして、回転数の多さ、回転軸を意識してストレートを磨くのがいいのではないかと思う。そうすることによって打者がケアしなければいけないゾーンを縦に長くさせれば、より打ち取る可能性を高められるのではないか。そういうふうに説明するのがいいのではないかと思う。

Photo: Cindy JonesによるPixabayからの画像

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