原稿のまとめ方のアイデア(を、思いつかせるアイデア)

アイデア

今日は少し、原稿のまとめ方についての備忘録を書いておきたい。

今やっているのは長めの原稿2つで、ひとつは語りおろしタイプ、もうひとつはインタビュータイプである。

「原稿がまとまる」ための3つの条件

「原稿がまとまる」ということには、最低でも以下の3つの要素が必要だ。

①起承転結がはっきりしている(問題提起とオチがきちんとセットになっている)

②オリジナリティがある(紋切り型のどこかで聞いたような話になっていない)

③原稿全体で論理がじりじりと進む構成になっている(AからいきなりCに飛躍し、そのあとB、という並びではなくA→B→Cと論理が順当に並んでいる)

こういった要素が揃っている状態を「原稿がまとまる」と定義しよう。

「まとめ方のアイデア」が重要である

この状態に至るためには「まとめ方のアイデア」を思いついていることが重要である。そのために自分がかつてやっていたやり方は、こういうものだ。

  • 収録の文字起こしをとにかく丁寧な文章にしていく(自分が読んでおもしろい、読みたくなる文字起こしをつくる)。それと同時に、その文字起こしを精読して読解する。そのうえで、上記の①②③を満たすようにリライトしていく。

これをやると、最終的にまとめ方のアイデアにはたどり着きやすい。

ただし難点は時間がかかることだ。そのため、自分の場合、ここ5年ぐらいは時短になるやり方をいろいろ試している。

まとめ方のアイデアが湧いてこない理由とは

まとめ方のアイデアが湧いてこない理由として、以下のようなものがある。

  • そもそも対象に対する知識が足りていない。(→Webでリサーチする、本でインプットする必要あり)
  • 収録文字起こしの文章のなかに潜む論理の飛躍に気づけていない。

その理由が改善されていないまま進めていってしまうと、陥りやすい悪手には以下のようなものがある。

  • とにかくパソコンの前に座って文章に向き合い続け、編集作業を続けた結果、余計にわけがわからなくなる。(自分はやらないようにしていることを断った上で言うと、この状態のまま作業を続けていくと取材対象者の言いたいことを捻じ曲げてしまう可能性があり、そうなると直しが膨大になったり、取材対象者の心象が悪くなる。だから自分はここはかなり気を遣っている)
  • 逆に「知識が足りていない」と思ってインプットに時間をかけすぎた結果、原稿の作業自体が進んでおらず、焦り、悪循環に陥る。

こういった問題はどのように解決していくべきだろうか。

まとめ方のアイデアが湧いてこないときの対処①行動レベル

行動レベルでの解決策としては以下のようなものがある。

  • (バランス)作業とインプットのバランスに少し注意を払いながら1日の時間を過ごす。
  • (過集中)根性論的に、とにかく集中してやる。「お昼までの3時間をとにかく集中する!」と決める、など。締め切りが迫っているときなどは火事場の馬鹿力が自動的に発揮される。しかし特にきつい締切のない長い原稿の場合は、この状況を強制的に作り出すのが難しいという難点がある。また、これをやったあとには1日程度の休息が必要になるのも難点である。
  • (アクティブな休息)散歩、運動、お出かけ、風呂など物理的な気分転換をする。
  • (パッシプな休息)まったく仕事に関係のない本を読んだり、映像作品を見たり、ごろ寝したりして休息する。

まとめ方のアイデアが湧いてこないときの対処②作業のやり方レベル

作業のやり方レベルでは、キーボードから離れるという方法もある。

  • 自分の場合、普段から四六判のメモ帳を使っているので、そこにアイデアを書いていく(キーボードを打つようなデジタルな入力ではない、脳に違う刺激が入る入力方法を織り交ぜる)
  • 大きめの紙(A4などでよい)に鉛筆で思いついたことを書いたり絵を書いたりする(鉛筆+消しゴムのほうが書いたり消したりすることができるので良いケースあり)
  • iPad&スタイラスペンを使って、上と同じようにメモ帳に思いついたことを書いたりしていく。

なお、論理的に考える=左脳に過負荷がかかっている、ということである。そこで、楽器を演奏したり絵を描いたりして右脳の活性化&脳梁(両脳の連結)を活性化させてバランスをとるのもいい。部屋の掃除、ゴミ出し、庭木のメンテなど肉体労働をして気分転換を図るのも重要だと思う。

また自分の場合、最近はごく短時間の鼻呼吸に集中する瞑想(ヴィパッサナー瞑想)も試している。効果があるかどうかはまだよくわからないが、ときどきでいいのでやっていきたい気はしている。

まとめ方のアイデアが湧いてこないときの対処③具体的な作業レベル

具体的な作業レベルでは、以下のようなやり方がある。

  • あまりにも文意がわからなくなってきて、リサーチにも膨大な時間がかかりそうなときは、取材対象者に向けた質問を原稿のなかにわかるように(赤字などで)書き込んでおく。
  • または、取材対象者に直接メールや電話をするなどコミュニケーションをして、不明点をクリアにするアクションをおこなう。

要するに自己完結して悩んでばかりいるのではなく、相手に素朴に聞いてみてもいいのだ。

考えなさすぎて相手に丸投げするのもダメだけれど、煮詰まってきたらこの選択肢を〝気軽に〟考えてやるのがいい。

重要な部分のまとめ

書き出したなかで重要なポイントに絞って繰り返してみると、「バランス」の感覚は大事なのと、焦りがいちばんの大敵である。だから調子の出ない日は、一日の過ごし方として午前(ないし最初)の2時間だけでも過集中で作業して焦りを取り除いておき、あとは午後の時間は仕事に関係ある/関係ないインプット、パソコン以外で手を動かす(メモづくりや楽器演奏)、散歩などをすると決めてしまう、などもよいかなと思う。

いつもどれかを忘れるので、備忘録として。

(了)

Photo: UnsplashFerenc Horvathが撮影した写真

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