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郊外居住とクラシック音楽の演奏会、資本主義と稼得能力、原稿の進捗など | にどね研究所

郊外居住とクラシック音楽の演奏会、資本主義と稼得能力、原稿の進捗など

雑記

長野県の八ヶ岳に来ています。お金がないので旅行など行けるはずもないのですが、今回は交通費、宿泊費、食費も特にかからず、ある程度のちょっとした労働をするぐらいでOKのようです。

この記事のアイキャッチは、新海誠監督の故郷、長野県小海町(こうみまち)です。頑張って『天気の子』っぽくレタッチしてみました。小海町には、電線もなく広大な農地が広がるエリアがあるんですよね。別に聖地巡礼に来たわけではないのですが、なかなかいいところです。あ、新海監督は小海町の中心部に本社社屋のあるゼネコン「新津組」の御曹司らしいですね。

こちらは「八ヶ岳高原ロッジ」。天気が良かったです。

八ヶ岳は山奥で標高も高いので、非常に涼しいです。南米エクアドルの首都キトは2,850mの高地にあるため、赤道直下ながら一年を通して春の気候らしいです。温暖化が進んでくると高地居住も進んでいくのかもしれません。日本の高地は冬は寒いですが、新しめの住宅だったら断熱や暖房システムも発達していますし。

都心の新宿区に7年住んでいたのですが、あそこは便利すぎて日本の地方部に行く気が本当になくなります。都心に引きこもってしまうというか。今は横浜北西部の郊外住宅地に住んでいるので、フットワークがかなり軽くなったかなと。やっぱり多摩川を越えた場所に住んだほうがいいです。住所が「東京都〜」であるのってそんなに大事なのか、ただのつまらないブランド志向なのでは!? みたいなことはときどき思います。自分もそうだったので。

郊外について

郊外居住なので最近「郊外」について考えることが多くなったのですが、Wikipediaをだらだらと見ていると、府中は小室哲哉を生み、町田はLUNA SEAを生み、横浜はHIROさんを生んでるんですよね。こういう大衆から支持を得る/かつ先鋭的なクリエイターが育まれるのに、住んでいる場所は都心近くでなくてもよいのかなと。

で、自分にとって横浜北西部・川崎市西部・町田市エリアは生まれ育ったので馴染みがあるのですが、大学では国立に通ったので、多摩エリアもいろいろ見ましたし、最近は行く機会も増えました。で思うのは、住むなら中央沿線より、多摩川の南側の稲城市や多摩市の方が良いです。このあたりは日当たりもいいし緑も多いし水も近いし、都心へのアクセスがいいのに住環境としてはとてもいいです。多摩市がどこかわからない人も多いかもしれませんが、ここの中心地は聖蹟桜ヶ丘駅とか、多摩センター駅です。聖蹟桜ヶ丘は謎に都会です。

少し前に、こんな記事がバズっていました。

東京に住んでない人って、どうやって文化を享受してるんだろう。

ここでいう文化って「消費文化」=つまりお金を払って楽しむ文化なんですよね……。お金をかけずとも生活は楽しむことができるし、そのほうが創造的なのでは!? と思うようになり、冷静に考えるとそりゃそうだって感じの話です。

自分が新宿に7年住んでいたときは、楽しかったような気もしますが、家狭かったなと思うし、限界労働してたので負の記憶もあるし、良かったのか悪かったのかわからないところがあります。ひとつだけ良かったことを挙げるなら、「都心に憧れる気持ちが特になくなった」ということです。昔は郊外なぞクソ、山手線の内側に住みたいと思ってました。

実際にやってみたところ、消費文化・資本主義・能力主義に呑み込まれ、馬車馬のように働くけれども大事なことがなんなのかをずっと見失い続ける生活になりました。で、そのへんの距離感をうまくとれる自信が確かに持てれば、都心に住んでもよいのかなとは思います。少なくとも今の段階では、都内に戻ったら否応なく限界労働に巻き込まれるので、しばらくは遠慮しとこうと思います。

クラシックの音楽会

さて、八ヶ岳では、おそらく20年以上ぶりに音楽会のステージでチェロを演奏しました。もちろんチェロなんて高価なものは持てないので借り物です。

僕は子どものとき、音楽好きの母親の趣味でチェロを習わされていて、中学生の時にやめてしまったけど、弾き方や楽譜の読み方などの基本はわかるのです。

この音楽会は素人も参加OKで、「駅ピアノタイム」といって参加者が自由にスタインウェイのグランドピアノを弾ける時間があったのですが、そのときにピアノでも少し演奏してみて、見ていた人に「けっこういけるね!」とも言われて自信を深めています。来年はピアノでも出るかもしれません。

今回の演奏会の様子です。これだけ見るとそれっぽいですが、そんなに大した演奏をしたわけではなく、初歩的な曲をアンサンブルでやっただけなので……。

クラシック楽器の演奏者は世の中にけっこうおり、市民音楽家たちのアンサンブルは、草野球の楽しさ面白さにも近いなと思いました。文化を楽しむというのは、消費者として口をあんぐりあけて「摂取する」だけではなくて、自分たちでつくる楽しみもあるのかなと。まあクラシック音楽というと富裕層のものというイメージがあり、もちろんそれは否めないですが、市民音楽家の皆さんは(ある程度裕福でありながらも)消費文化にずぶずぶと溺れる以外の文化の楽しみ方を知っているのかなと思います。

行きに休憩で寄った中央道・談合坂サービスエリア。めちゃくちゃ混んでました。

資本主義と稼得能力

最近、「稼いでないんでお金ないんですー」って、あまり抵抗なく言えるようになってきました。それでふと思ったのが、「お金がない」ということに後ろめたさを感じてビクビク生きているのがダメなのかもしれません(これは男性特有かも……)。

すでに「限界OL」的なブルシットジョブは一切やっていないですし、世のため人のための仕事を頑張っているので、稼ぎの多さじゃなくて、そういうことにきちんと自信を持てばいいのかな、なんてことを思いました。

お金ないなりのちょっとした贅沢

で、お金ないなりのプチ贅沢として、脱衣所用の扇風機と風鈴を買いました。脱衣所扇風機はめっちゃ捗りますし、風鈴もいいです。あとは麦茶があれば夏は十分かもしれないと思いました。安部磯雄の言う「質素之生活、高遠之理想」みたいな路線かも。

あるベストセラー作家との飲み会

このあいだ、某ベストセラー作家の友人に誘ってもらって、二人で飲んでいました。そのときの話を要約すると、こんな感じです。

  • ともに秋元康を目指そう
  • インセルにならないよう気をつけて

1個目はともかく、2個目は確かにそのとおりなんですよね……しかし1個目は考えたことなかったので真剣に考えてみようかなという気にはなりました。自分の場合はあんまり欲がなく、野球だの受験勉強だので競争社会に慣れすぎて「負け慣れ」がしすぎて、悔しいとかがんばろうとか、そういう感覚が薄くなりすぎているなと。もうちょっと欲をかいてみる必要があります。

それと、

  • 戦前アジア主義の魅力
  • 自分が歌と踊りがいかに好きか

みたいな話もしてました。

クルマは市民的自由の象徴説

最近あったことというと、今住んでいる横浜市北西部のマンションの駐車場の空き待ちを申し込んだことです。と、いってもうちのマンション、駐車場は埋まっていて5年〜7年ぐらい待つとのことなので、別に今すぐクルマを買うというわけではありません。

思ったのは、何らかの目標があったほうがいいのではということです。5年後、クルマを買って持てるような状態になっているかどうか、そのあたりを考えるきっかけにしようと思って、申し込んでみました。

『ワイルド・スピード』なんかを観ていると、クルマでいろんな国とか場所とか、空飛んだりとか氷の大地とか、「そこクルマで行かなくてもよくない!?」「飛行機とか潜水艦とか砕氷船とか、そういう便利な乗り物でいいのでは!?」というところに、なぜかわざわざクルマで行くわけですよね。

何でなのかというとおそらく、クルマは個人の自由(たとえば移動の自由)の象徴なのではないかと思います。飛行機、潜水艦、砕氷船は選ばれたエリートしか乗れないけれども、クルマは誰でも(運転免許があれば)平等にアクセスできる。それがワイスピの主要視聴者層であるアメリカや日本や中国の郊外ヤンキーや移民や労働者階級の集合的無意識で、自分の車で空飛びたいし極地にも行きたいのかなと。クルマは自在に操れる拡張身体でもあり、やっぱりガンダム的に拡張身体でいろんなところに行きたい、そういうことなのかなと思います。

で、あくまで妄想ですけど、自分がクルマ買うならなんだろう……? と考えて、最初はスズキのハスラーが頭に浮かびました。

ハスラー|スズキ

あとは、ルノーのカングー。

Renault Japon | ルノー カングー

ただカングーは3ナンバーで、若干デカいんですよね。そして価格が高い。

あとは、フィアット500をベースにしたアバルトもかわいいので、いいなとは思います。買わないし買えないですけど。

ABARTH アバルト

それと、最近発売になった三菱自動車のデリカミニ。ホンダN-BOXが火をつけた軽ハイトワゴンってやつですね。

【公式】デリカミニ – 三菱自動車

資本主義に呑み込まれないようにといっても、クルマは買い切り商品(浴室用扇風機も買い切り商品)なので、あと自分にとっては拡張身体なので、あったらいいなとは思います。

野球本企画について

野球本企画については、編集者の方と二週に一度ペースで打ち合わせをして、少しずつかたちを作っています。今までのように連載形式で書き溜めるというより、原木から彫刻をつくるように、まずは大まかに四角く切って、できた直方体の六面にデッサンをし、はみ出た角の部分をざっくり切って、だんだん人のかたちに彫り進め、少しずつ曲線や複雑な線を出し、最後に目や口などの大事なディティールを細かく彫っていく――というような形式で進めてみよう、ということになりました。

で、今回は方向性について考えていることを自分でレジュメをつくり、プリントアウトして編集者の方に見てもらって話して相談し、自分のアイデアを話してフィードバックをもらって、じゃあこれで行こうという方向性を出してから書くというふうにしてみました。今までそういうふうに頼ったり相談したりをするよりも、自分でなんとかしようとしすぎてたかもしれません。ただ全部投げちゃうのでもなく、自分から「こんな感じ」というサンプルを提出する、これが大事なんだなーと。

あとは、書いた原稿をかなり無駄にするということも必要なんだな、と思いました。再開してからすでに10万字くらいは書いてる(もちろん過去の原稿の再利用もある)のですが、頑張って書いたけどフィットしなかったものは容赦なく切っちゃうぐらいの感覚で、そこに自分も編集者もあんまり遠慮がない状態は、なかなか大事なのかなと。

自分の場合、「納品」みたいな感覚がまだ強くて、「一発で通る原稿を」みたいなことを考え、最初からガチガチに作り込もうとして結果着地点がわからなくなる、みたいになりがちかもしれません。そうではなく、木彫をやるみたいにざっくり切ってみて「これどうですか?」を編集者に相談する、みたいなやり方がいいのかなと。その感じでしばらくやってみようと思います。

おわりに

ブログの下書きにはもうちょっとかなりいろんなことを書いていましたが、さすがに執筆に1時間以上使ってしまったので、このあたりにしておきます。最近、ツイッターはなるべく1日1ツイートまでにしようと思っていて、投稿せずに下書きに保存していたことを、ブログにまとめて書いてみています。なるべくポジティブな話題を選んでみました。続きはまたそのうち更新するかもしれませんが、今回はこのへんで。

編集者、ライター。1986年生まれ。2010年からカルチャー誌「PLANETS」編集部、2018年からは株式会社LIGで広報・コンテンツ制作を担当、2021年からフリーランス。現在は「Tarzan」(マガジンハウス)をはじめ、雑誌、Webメディア、企業、NPO等で、ライティング・編集・PR企画に携わっています。
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