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ロビンソンクルーソー化する東出昌大とギリシャヨーグルト | にどね研究所

ロビンソンクルーソー化する東出昌大とギリシャヨーグルト

インターネット

東出昌大がロビンソンクルーソー化している、というニュースが朝一番に飛び込んできた。

《直撃撮》東出昌大、不倫・離婚後の“ひとり身生活”は山小屋!家賃ゼロ、携帯電話は圏外、汲み取り式トイレの「自給自足生活」を語った|週刊女性PRIME

いや、僕は前に「フラッシュ」かなんかで読んでいたかなぁ。山奥で狩猟とかしながら自給自足生活に入っていて、でも後輩俳優たちから慕われており、「東出詣で」が活発化しているらしい。

これは、昨日書いた「消費社会から距離を取る」ということのまさに実践なのかなと思う。

もっとも、そういう実践でいうとイケダハヤト氏のものがあったが、なんとなくあれは魅力を感じなかった。ただのデジタルライフであって、消費社会が裏返っただけなんだもん。

ところが東出昌大は、都会での不倫というきわめて消費社会的な生活をしていてそれに裏切られ、ファイト・クラブ的な実践を山奥でしているらしい。そこに「狩猟」というキーワードが入っているのが魅力だ。なんというか、「男らしい」実践なのがおもしろい。山奥で生きてるのにデジタルライフ最高なんてやっていてはダメなのだ。イントゥ・ザ・ワイルド。野生に返れということである。

前に「不良」について書いたが、国母さん、小室さんに続いてまた「不良のスター」が現れてきたような気がしなくもない。

ところで「消費社会との距離感」ということで言うと、最近おもしろいと思っているのがギリシャヨーグルトである。

僕はプロテインは飲まない。ビーレジェンドを飲んでいたことがあり、その企業的工夫は面白いとは思っていたが、やっぱりあんまり美味しくないのである。トレーニングはしていても、ケミカルには頼らない。これは、ポール・ウェイドの思想の影響だ。

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ポール・ウェイドは古代ギリシアの体育国家・スパルタに注目する。スパルタが国としてやっていたトレーニング方法、キャリステニクスを現代に応用させようとしているのだ。

考えてみるとギリシアという場所は面白い。西洋と東洋の中間に位置する。西と東が交差する場所。だからこそ、アメリカというやはり西と東が交差する場所で、ギリシア・ローマに対する関心が高まっている。

たとえばプラトンはレスラーだった。哲学者がレスラーというのは今の感覚では異常だが、古代ギリシアでは別に奇異なことではなかったのだろう。

さらにプラトンの弟子であるアリストテレスは「逍遥学派(ペリパトス)」といって、学園リュケイオンで歩廊を拠点として歩きながら(逍遥しながら)講義を行っていた。これは要するにウォーキング・ミーティングである。

『ポケモンGO』『ピクミン ブルーム』を開発している米ナイアンティック社のジョン・ハンケと川島優志は、よくウォーキング・ミーティングを行っているらしい。詳しくは僕がTarzan Webで取材した記事に載っている。(この記事は、僕が関わっているWebオリジナル企画の1発目なので、文体が安定していないのがちょっと悔やまれる)

『ポケモンGO』『ピクミン ブルーム』は、なぜユーザーを「歩かせる」のか:川島優志インタビュー【前編】| Tarzan Web(ターザンウェブ)

テクノロジーが「怠け者」を生むなかで、自分の身体とどう向き合うか:川島優志インタビュー【後編】 | Tarzan Web(ターザンウェブ)

「東と西の中間地点」という意味で実は、現代アメリカと古代ギリシアは共通している。だからアメリカでも、ギリシア的な身体技法が注目されているという動きが、潜在的にあるのではないかと思う。

そのギリシアで生まれたギリシャヨーグルト。「ギリシャヨーグルト パルテノ」のサイトによれば、起源は以下のようなものだ。

ギリシャヨーグルトは、今からさかのぼること二千年以上前の紀元前に誕生しました。
当時、羊とヤギの牧畜が盛んだったギリシャにおいて、
ミルクの栄養価を損なうことなく長期保存できる食材として、
遊牧民の間でつくられるようになったといわれています。

この食品がブームになったのは、以下のような経緯があるという。

たんぱく質を多く含み、食べごたえのあるギリシャヨーグルトは、
美容や健康に良い食品として、アメリカ・ニューヨークのヘルシー志向で
おしゃれな女性たちを中心に大ブームとなったことをきっかけに、さらに広がっていきます。
そして2012年には、全ヨーグルト市場の売上高の約30%を占めるほどになり、
一気に大躍進しました。

ここでも「ギリシア→アメリカ」という矢印があるらしい。

ちなみにギリシャヨーグルトは、普通のヨーグルトよりも少し高く、だが高タンパクである。味は添加物少なめで、ナチュラル系。砂糖をかければそれなりに美味しい。

「消費社会との距離感」というのはそういうことで、消費社会を全面的に拒否するわけではない。だけどプロテインのような「やりすぎ」のサプリメントには抵抗感をもつし、味や実感は大切にする。多少高くても、おもしろい製品であれば買う。ナチュラルやオーガニックであることを多少は重視はするが、そこでも「やりすぎ」にはならない。

今までの消費社会を所与のものとするのではなく、かといって完全に拒否するでもなく、ほどよい関わり方を模索するというのが「消費社会との距離感」ではないかと思うのだ。

さて、今日は早起きに成功したので、重要なミーティングの設定ができて、それと企画書1本に手を付けてウォーキングに出た。安倍の国葬は支持してないけど、今日はゆっくりやろうかなと。企画書2本に手を付けつつ、あとはインプットをじんわりやっていこう。

(了)

編集者、ライター。1986年生まれ。2010年からカルチャー誌「PLANETS」編集部、2018年からは株式会社LIGで広報・コンテンツ制作を担当、2021年からフリーランス。現在は「Tarzan」(マガジンハウス)をはじめ、雑誌、Webメディア、企業、NPO等で、ライティング・編集・PR企画に携わっています。
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