ライティングとお酒

発想

今から約7年前、2013年末に、記念すべき(?)僕のゴーストライターデビュー作、『「絶望の時代」の希望の恋愛学』がKADOKAWAから出版された。

この本のもとになったのは、2012年夏に新宿ロフトプラスワンで行われたナンパ師のイベントだった。それがめちゃくちゃ盛り上がっているのを運営の手伝いとして見ていた僕は、自分がそのときにやっていたこと(雑誌の編集アシスタント、大学での社会学の勉強、電子書籍とドキュメンタリー動画の制作)が全部活かせると思ったので、「イベントの内容を電子書籍にして売ろう!」と画策したのであった。

友人たちに手伝ってもらった文字起こしをもとに、僕が書籍形式に構成し直したのだった。

当時は実家に住んでいた。暇を持て余したニートだった僕は、夕方ぐらいから、金麦を片手にパソコンに向かい、カタカタと文章を作って、今思うと驚くべきことに、7〜10日ぐらいで一冊分を書き終わった。

そして最初は電子書籍として出した同書はバカ売れし、KADOKAWAからお声がかかって紙の書籍となって全国流通し、3刷までいった。印税もまあまあもらった。

……まあ、いきなりそんなスピードでできたというわけではなかった。

その前に、雑誌の編集アシスタントの仕事をした。「PLANETS vol.8」での、当時の「ニッポンのジレンマ」というEテレの番組を仮想敵にした特集で、哲学者の國分功一郎さん、萱野稔人さん、社会学者の水無田気流さん、社会起業家の駒崎弘樹さんの、宇野さんが聞き手となったインタビューの構成をやったのだった。

どれもだいたい1万字くらいで、内容も非常に難解で、まとめるのに何日もかかった。ただ、当時はただの編集アシスタントで時給とか発生しないので、とにかく時間をかけてなんとか完成させることができた。

そこでなんとか商業誌レベルの文章を作ったことで、構成のスピードはかなり上がったと思う。インターンとかサラリーマンとか、働いた時間分だけ給料をもらえるような身分ではないのだ、編集アシスタントというのは。だから時間をかけても許されるのだ。

でまあ、そんなこんなで、『「絶望の時代」の希望の恋愛学』はだいたい8ー10万字くらいあったと思うのだが、構成自体は1週間ちょっとぐらいしかかからなかった。

お酒を飲みながら書くというのは、当時の僕にはなかなか良かった。ふだんはわりと仕事に関しては神経質なので細部にこだわって時間がかかってしまうのだが、お酒が入っていると「まいっか〜」と大胆に構成ができる。

それで、毎日夕方から夜まで酒を飲みながら構成作業をして、ちゃちゃっと終わらせてしまったのだった。

要は何がいいたいかというと、微に入り細に入りでなかなか仕事が終わらないときは、お酒でも飲んでちゃちゃっとやっちゃうみたいなのが、僕みたいな真面目なタイプの人間にはいいときもあるのではないか、という話である。

逆に、元からちゃらんぽらんな性格の人はこれをやっても、いいライティングができるとは限らない、かもしれない。まあケースバイケースなのではないかなぁと思うのだ。

とまあ、そんなことを言いつつ、今日は土曜日だけど仕事が終わってないので映像編集の仕事をずっとしていて、他にも超待たせてしまっている他社さんの原稿があり…(本当に申し訳ございません)、なんとか仕事を終わらせたい。けど、適当になれないので、お酒を飲みつつ、息抜きにこんな文章を書いてみているわけである。

はあ、まだまだ仕事が終わらないなぁ……。

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