会社を辞めてフリーになって4ヶ月が経ちました。今のところなんとかなっています。
そしてこのWebサイト、もともとほぼ僕の個人ブログだったものが、いつの間にか何となくメディア化が始まっていますが、特に野望とかがあったりするわけではなく、ふんわりとやっています。
『いちご100%』の話があったり、イラン×人類学の話があったり、Creepy Nutsの記事が出たり、ペルシャ語学習の話があったり、謎の「コロナとお酒」のコラムがあったりします。自分のやってることは「企画の相談に乗る」「締切管理する」「文字校正する・Webっぽく編集する」の3点だけなので、自分の時間じたいはほとんどかかってません。前職のときは最大月100本の記事を見ていたので、数本の記事であれば全然だいじょうぶなのです。
個人的に「ここだけは力を入れたい」と思うのは、マーケティングしない、ということです。
自分が報酬をもらう仕事として情報発信・メディアづくりに携わっていて、肌感覚でもよくわかるのですが、メディアもYouTubeも、成功したり成果を出すためには「何らかのジャンルに特化する」「コンセプトを明確にする」ということが必要です。
ただ、自分としてはこのサイトで何か成果につなげたい気持ちはあんまないですし、「PVがいくつを超えた!」とかの成果報告もしたくないです。そういうセルフブランディング的な要素を入れるのって、何か「焦り」みたいなものを読み手に与えてしまって、個人的にあんまり気持ちよくない。そういうのって「成功しなきゃ何もやっちゃいけない!」という「逆神」的な効果しか生んでないんでねーの?と思うんですよね。リッチじゃないというか。
何かにつなげたいというよりも、「継続する」ということが、自分が一番大切にしたいことです。
マーケティングしたり、何かに特化したり、「コンセプトはこうだ!」とかってキリッと意識を高めたりすると、つらくなっちゃったり、飽きたりするんですよね。そうなると、継続できなくなっちゃう。そうではなく、「やってて楽しいかどうか」だけが重要だと思っています。お金は自分でクライアントワークを頑張って稼いでいるのだから、全然いいのです。自分が楽しいと思う記事を書いてもらう、書いてくれる人にもプラスになるようなものがいいです。
最近の仕事の話と気づいたこと
相変わらず平日土日・朝晩の別なく、ずっと仕事している感じです。食っていくためのライスワークに圧迫され、自分のライフワークや、他にやりたいことに、会社を辞める前に予想していたよりもリソースが注ぎきれない状況が続いちゃっています。やっぱり根性を前提にやるのはダメだなぁと思いました。
最近大事だなと思うのは、「月ごとの予定を立てる」ということです。いま、報酬を貰う仕事を6案件持っていて、しかもどれも単発でなくある程度長期的なプロジェクトで、それを同時にやっています。これが別々の月だったらどんなに良かっただろうか……。なので今後は、「暇になる」ということを重視していきたいと思います。
感謝の気持ちを伝える/解像度を高める、笑顔で挨拶する
急にモラリスト的な話になりますが、最近、仕事をするなかで改めて大切だなと思ったのが、「感謝の気持ちを伝える/解像度を高める」「笑顔で挨拶する」ということです。取材仕事がけっこう多いのですが、撮影も含め、現場の雰囲気を高めるのは編集者の仕事かなーと思っています。
取材場所には、ライターさん、カメラマンさん、取材相手、代理店の人、クライアント……いろんな人がいるわけですが、まずはみなさんに気持ちよく仕事をしてもらうために、笑顔で元気よく「今日はよろしくお願いします!」と挨拶するのが、やっぱりはじめの一歩だなと。僕、意識が抜けていると真顔になりがちなので、意識しないといけないところです。
で、まず最初の段階で、自分がイニシアチブを取って、テキパキとディレクションをしていくと、現場の雰囲気も温まって、取れ高の多い取材になり、撮影もいい感じに行く。ニコニコしつつテンションが適切な具合で高く、段取りもしっかりしているということが、いいアウトプットにつながって、その後の制作進行もスムーズに行くのかなぁと、改めて思っています。
あとは、関係者の方々が、ちょっとした心遣いをしてくださることは多いと思います。本当にちょっとしたことであっても、その一つひとつに解像度高く気づいて、きちんと感謝の言葉を、サボらずに伝える。
こういうことが結局、あとで自分も助けてくれるわけですけど(もちろん、必ずしもそのためだけにやっているわけではないですが……)、これは本当に常日頃から意識していないと、いくら慣れていっても、いつか慢心が失敗につながるように思います。おそらく何歳になっても、気をつけ続けないといけないことなんだろうな、と思うのです。
初期段階でのディレクションをがんばる
編集者として「初期段階のディレクションをがんばる」というのは、当たり前かもしれません。ただ、今まで「それが大事だ」ということを、ちゃんと言語化したことがなかったです。ディレクションをする人は、初期段階で方向性のブレをできるかぎりなくしておかないと、のちのち自分も仕事相手も困りますし、ブレが拡大していくとあとが大変です。
自分がライターとして仕事をしているときに組む編集者の方は、意外と丸投げな人も多いです。で、それに「まあ、そういうもんなのかな」と思って影響され、自分が編集側に回るときもそういうふうにやってしまうところが正直、ありました。
でも、ライターの立場だとそれが困ることがよくわかります。だから自分が編集側のときは、できるだけ初期段階でのディレクションをしっかりやっておかなければいけない、丸投げになってはいけない、というふうに思います。「コミュニケーションコスト」なんて言葉がありますが、「コスト」という言葉遣いで考えずに、初期段階でしっかりコミュニケーションをとらないといけないです。
逆に自分がライターとして仕事を受けるとき、「ディレクションが不足してるな」と思ったときは、なるべく自分から編集者に聞くことが必要だなと思います。自分が編集側のときは初期段階でのディレクションをがんばるからといって、すべての編集者に、それを期待するのもよくないと思うのです。「ここの方向性はこれでいいですか?」ということを、ケチらずに自分から細かくコミュニケーションしておくことが重要で、そうすることで編集者との信頼関係もしっかり作れるなと思うのです。これは編集者→代理店・クライアントの関係でも同じかもしれません。
レスキュー案件の課題
今はけっこうレスキュー案件が多いです。スクリプトドクターならぬ企画ドクター、コンテンツドクター的な仕事は、わりと需要があるようです。で、そういうレスキュー案件のときこそ初期段階でのコミュニケーションが重要だなと。自分のなかではまだレスキュー案件がうまく回しきれていないんですが、原因として、コミュニケーション、ヒアリングの質が、かなり大きいと感じています。
レスキュー案件が入った場合は、とにかく初期のヒアリングの質を高めないといけない。で、そのときにヒアリングに臨む際は、まるで大物クリエイターや芸能人のインタビューに臨むかのように、
- リサーチをしっかりやる
- リサーチ内容をもとに仮説を立てる
- クライアントへの質問項目を整理し、質を高める
- 議事録をきっちり作っておく
が必要だなと、改めて思いました。まあこれも当たり前といえば当たり前の話で、20代前半で仕事を始めたときには誰に言われずともきっちりやっていたと思うのですが、いくら慣れたり経験値が蓄積されていても、ここは絶対ゆるがせにできない部分だなぁと感じています。
ネットウォッチをやめる
2000年代からネット文化に親しんでいる人は、「ヲチャー」と言って、自分が好きでもない人の言動をニヤニヤとウォッチするというハビトゥスがあるように思います。自分がファンではない人のTwitterとか、コンテンツを見てしまう、ということです。自分は初期からネットどっぷりだったわけではないですが、少しその「ヲチャー」的な行動様式を内面化してしまっている部分があります。
でも、もう30代半ばで、時間もそんなに多くない気がしていますので、こういったハビトゥスは断捨離したほうがいいのではないかと思うのです。
それよりは、てんちむのYouTubeとか見たほうがいいと思うんですね。……いや、てんちむは面白いし応援したくなるので正直わりとファンなのですが、YouTubeを見る時間も断捨離したほうがいいですね。「可処分時間を無駄に使ってしまった……」と感じてしまうので。
まあ、何かスキマ時間があったとしても、自分が好きでかつ、時間を使っても「まあいっか」「よかった」と思えるものにしたいです。上で書きましたが、セルフブランディング要素の強いものに接すると、その「焦り」にあてられてMPを奪われるので、なるべく接したくない! でも、その意味でいうと、てんちむはエンターテイナーが基本なので、全然いいんですけど。僕が大学生だったらずっと見ている気がします……。
ライフワークに真剣になる
ごく一部の方はご存じかと思いますが、僕は正直、今の時期はライフワークを本気でがんばらねばなりません……。ただライスワークのほうばかりに時間を取られ、リソースを注ぎ切れていないのでかなりヤバいです。当然ながらネットウォッチなんてしている場合ではありませんし、逆にライスワークの時間をいかに削減するかが超緊急課題です。まあこうやってブログを書く時間すらそっちに向ければいいのにという話かもしれませんが、ブログは息抜き兼、自分の考えの整理になるのでまだいいかなとちょっと思っています。でも、それよりも問題があるのです……。
ロケットスタートする
まず毎日の仕事をロケットスタートすることが重要だなと。僕は立ち上がりが悪く、尻上がりに調子を上げるタイプ(本当に上がっているのか、はさておき……)で、深夜が一番乗っていく、という感じになっています。でも深夜ってもう疲れてるので、なんだかんだ効率が悪く、よけいなことにも手が伸びがちです。
で、ライフワークにリソースを注ぎきれないのは、立ち上がりが悪いことも大きな原因だなと。
朝は早く起きることもありますが、いきなりトップスピードに入れるわけではなく、慣らし運転が多いです。朝ごはんをゆっくり食べてしまうのも問題です。でも朝の体力があるうちに、いきなり超・集中してロケットスタートするクセをつけたほうがいいな、と思うのです。
今の喫緊の課題は時間の捻出であり、それこそすでに書いた「初期段階でのディレクションをがんばる」と似ていますが、最初の段階でロケットスタートを切れるほうが、時間は短くて済むように思うのですね。なので、ここに「一日は、朝からロケットスタートしよう」という言葉を書いておこうと思います。
最後に、横浜DeNAベイスターズのロケットスタートについて
アイキャッチの写真は、横浜DeNAベイスターズのマスコット、スターマンの帽子です。これをかぶって横浜スタジアムで応援することを夢見てきましたが、ここ1年ほど応援に行けていません。
そうこうしているあいだに2021年シーズンが始まってすぐ、我が軍は開幕6連敗を喫し、そのあと勝ったものの再び連敗街道を突き進んで、4月22日には10連敗となりました。逆の意味でロケットスタートになってしまっています。
DAZNには今年も入会したので試合を見れてしまうのですが、自分が直接、球場で声出しができる可能性がない以上、自分がベイスターズにできることは何もありません。ネット上で声援を送っても、意味としてはほとんどゼロに近いです。なので、まずはライフワークにリソースを注げるようにしなければなりません。
他人の心配をしたい気持ちはヤマヤマですが、まずは自分の人生をがんばれていると思える状態になれるということが、いいのではないかなと思っております。気持ちよく他人の心配ができるようになりたいです。(了)
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