今月5月15日より、書籍『どうぶつに聞いてみた アニマルSDGs』(ヌールエ/太郎次郎社エディタス)が全国の書店やAmazonで発売となります。
日本語版は紙書籍とKindle版がありますが、英語版も『Ask The Animals』(Global EditionとJapan & Australia Editionの2種類)というタイトルで、ペーパーバックとKindleでの同時発売予定です(すでに予約購入リンクが発行できているJapan & Australia EditionのKindleのみリンクを貼りました。今後、順次Global Editionやペーパーバックが購入できるようになっていきます)。自分は日本語版のKindleと英語版2種のKindle/ペーパーバックの制作ディレクション、PRなどに関わっています。
『どうぶつに聞いてみた アニマルSDGs』はどんな本?
簡単に言えば「動物の視点で現在のSDGsを眺めてみて、気候変動などの地球環境問題に対する新たな視点を得よう」という試みです。対象年齢は小学4年生〜すべての大人です。ルビが振ってあるので、小学生でも気軽に手に取ることができます。京都大学前総長、霊長類学者/人類学者としてテレビなどでもおなじみ、山極壽一さんの推薦コメントもあります。
こちらの本のコンセプトについては、4月末からnoteで週1回、著者の一人であるイアン筒井さんが解説テキストである「アニマルSDGsのnote」を書いており、僕はこの記事の編集を担当しています。
第1回の記事「今、「SDGsを動物の視点から捉え直す」ことがなぜ必要なのか?(アニマルSDGsとはなにか①)」では、「アニマルSDGs」というプロジェクトのもとになった「動物かんきょう会議」が生まれた経緯について、こう書かれています。
『動物かんきょう会議』というかわいらしい名前から、「ボランティア精神に溢れた〝いい人〟たちが、環境問題への取り組みを呼びかけて、優等生のような子どもを育てる取り組みなのかな?」とか、「自分たちはいいことをしていると思いたい人たちの、自己満足のプロジェクトなんじゃないか?」とか、そういうふうにイメージされる方も少なくないと思います。(中略)ところが、『動物かんきょう会議』を通して参加者が気づいていくことは、実はもっと本質的なことなのです。
今、「SDGsを動物の視点から捉え直す」ことがなぜ必要なのか?(アニマルSDGsとはなにか①) より
その「本質的な気づき」とはなにか? ということは、ぜひnoteを読んでみてください。
そして「アニマルSDGs」という言葉を聞くと、悪くとれば「国連っぽい」試みのように思えますが、実はアイヌ文化から大きな影響を受けてできたものでもあることがこの回では語られています。
アイヌにはこんな神話があります。クマの神が、神の魚とされるシャケの半分を食べ、もう半分を大地の栄養として自然に捧げます。動物たちは自分たちの取り分を半分にとどめて、残りの半分を他の存在のために捧げて生きている、それが持続可能な自然の仕組みをつくる智慧でもある、というわけです。
今を生きている動物たちは「1/2」で世界と折り合いをつけている。だとするなら、未来を変える力を与えられた人間たちが「1/3」で世界と折り合いをつけて生きるというのは、とても理にかなっていると思うのです。
今、「SDGsを動物の視点から捉え直す」ことがなぜ必要なのか?(アニマルSDGsとはなにか①) より
というわけで、本書は一見わかりやすい/やさしい本のように見えますが、西欧由来の人間中心主義や、それを追いかけてきた日本の近代についての批評的視点も含まれたものになっています。
「アニマルSDGsのnote」は本日5月9日時点で、2回目、3回目も公開されています。
第2回
第3回
シンプルな動物愛護の目線というより、テクノロジーの進展との絡みのなかでなぜ「動物の視点」が必要なのか、果たしてそんなことが可能なのか、を解説していくというものになっていきます。毎週水曜公開で、これからしばらく続くので、お時間のある方はぜひ見てみていただけると幸いです。
『どうぶつに聞いてみた アニマルSDGs』の商品としての特徴
この『どうぶつに聞いてみた アニマルSDGs』は、日本全国の書店やAmazonで流通する日本語版紙書籍と、日本語版Kindle、英語版のペーパーバック、英語版Kindleなどの種類があり、日本以外の国でも紙や電子で(日本語だけではなく英語でも)読めるようになるのが特徴です。よければ、書店やAmazonなどで見かけたらお手に取ったり、中を覗いてみていただけると幸いです。
(了)
コメント