生活そのものを『ファイト・クラブ』のタイラー・ダーデン的に考える

生活

フリーランスになってから(いや、なる以前から)お金にはけっこう苦労しています。最近、少しずつお金に関してどういうふうに考えるか? を整理していたので、その内容を連続ブログの形式でこれから書いていこうと思います。今回は第1回です。

都心暮らしのサラリーマンをやってみて……

僕は新宿区に約7年間暮らし、被雇用者としては通算8年ほど働きました。それ以前は主にニートとして、実家に暮らしながらときどき仕事をして、そのお金で悠々自適に暮らしており、一時は「時間もあり、お金もある」という状態で、暇なときにふらっと海外旅行に行ったりもしていました。しかし、それでは何かまずい気がして、27歳ぐらいからフルタイムで働き始めたのです。

被雇用者の8年のうち、後ろの3年は200人程度とベンチャーとしてはそれなりの規模の会社でサラリーマンをしていました。自分は立ち位置的に他の社員に比べて社長や役員と話すことが多かったのですが、そこで感じたのは、考え方が被雇用者とは全然違うということでした。用いる言葉の意味だったり、世界観が違うなと。経営者(や投資家)と被雇用者では、同じ世界を見ているようでぜんぜん違う言語で解釈している、と思ったのです。

で、彼らは明言はしないものの「資本家になったほうがいいよ」的なニュアンスが、言外ににじみ出ているのです。被雇用者でいることの損、ということですかね。

フリーランスとブルシット・ジョブ

自分は2021年からフリーランスになりましたが、当初1年ほどはまだ被雇用者の感覚で仕事していて、いわゆる「ブルシット・ジョブ」の状態でした。『ファイト・クラブ』で言うところのエドワード・ノートンの初期状態です。

『ファイト・クラブ』(1999)画像はAmazonより。

『ファイト・クラブ』には、ブラッド・ピット演じるタイラー・ダーデンという魅力的なキャラクターが出てくるんですが、彼は劇中でこう言います。

くそったれ、仕事といえばガソリンスタンドの店員、
レストランのウエイター、サラリーマンという奴隷
God damn it, an entire generation pumping gas, waiting tables; slaves with white collars.

広告に煽られて車や服を買い求め、やりたくもない仕事をして、
そのおかげで要らねーもんを買うことができてる
Advertising has us chasing cars and clothes, working jobs we hate so we can buy shit we don’t need.

(映画『ファイト・クラブ』より、筆者訳)

これはけっこうあるなと思っていて、僕の脳内ではたまに「アンパンマンのマーチ」の歌詞が鳴ります。

なんのために生まれて
なにをして 生きるのか
こたえられない なんて
そんなのは いやだ!

(中略)

なにが君の しあわせ
なにをして よろこぶ
わからないまま おわる
そんなのは いやだ!

「アンパンマンのマーチ」作詞:やなせたかし 作曲:三木たかし 編曲:大谷和夫

やなせたかし先生は、シンプルなようでいて深い歌詞を書かれます。『チリンのすず』『やさしいライオン』などは名作すぎますよね。話がそれましたが、「なんのために生まれて なにをして生きるのか」というので一番思い当たるのが、「自分は住居費のために働いていたのではないか?」ということでした。

僕は新宿に7年間一人暮らしをしてきて、計算してみたんですけど、敷金礼金や契約料、毎月の家賃で合計850万円を払ったんですよね。で、当たり前ですけど、その850万は1円も残ってないんですよね。

「いやいや、地主も固定資産税とか払わないといけないし、大変なんだよ〜」みたいな話をする人がいますが、いつもその話に違和感があって……。ネガティブな解釈をすると、僕の「なんのために働くのか」は、第一義的には「知らない誰かにラクをさせるためだった」のかもしれません。

もちろん仕事のスキルが身についたとか、ドラム式洗濯機や食洗機、ソファなどの家具やら、新宿から横浜に引っ越した今も使っているものはあります。これは良い投資だったのかもしれない。でも、費目別では最大である家賃は、今まで誰かに払った850万円のビタ一文、自分の手元には残っていない。これっておかしくない? と思うわけです。

なぜそのことに今まで頭が回らなかったのか?

僕は家庭環境に関しても、両親は芸術系の自営業者ですが非常に勤勉なタイプで、「ラクして稼ごう」とかは1mmも思っていないタイプでした。

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