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ゲームとしてのプリズナートレーニング攻略+現在の進捗 | にどね研究所

ゲームとしてのプリズナートレーニング攻略+現在の進捗

(Do) Sports

このブログでもたまに書いているが、コロナ禍になって以降、ジムでのトレーニングを一切やめて、プリズナートレーニングだけやっている。

2020年4月に書いたやつ。
これはその翌月の5月に書いたやつ。

実はちゃんと今も続けていて、もうすぐ2年やっていることになる。参考にしているのは、上記2つの記事にも書いたとおりポール・ウェイド著『プリズナートレーニング』である。

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ケミカル(ウエイトトレーニング)vs.オーガニック(キャリステニクス)

ジムなどでバーベルやダンベルを使ってやるウエイトトレーニングは基本的に「筋肉『だけ』を効率よく発達させる」、というものだ。西洋近代医学的な、心身二元論的な、「精神によって肉体を統治する」という考え方である。

一方、プリズナートレーニング(別名キャリステニクス)は、ダンベルやバーベルが開発される遥か前、古代ギリシアの時代からあるトレーニング方法である。映画『300(スリーハンドレッド)』などにも出てくる古代最強のスパルタの兵士たちもやっていたらしい。基本的には自重を使った筋トレである。筋肉だけでなく関節・腱なども強化することができるので健康によい。

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キャリステニクスはより自然(オーガニック)に、自分の体重以上のものを扱わずに体を鍛える。

最近この話をするときに使っているのが「ケミカルか、オーガニックか」という分類だ。既存のウエイトトレーニングは西洋近代的・心身二元論的に人間の身体を捉えているので、「精神が身体を統治できる」と考える。だから筋肉「だけ」を効率的に発達させ、関節や腱、骨のことなどは考えていないし、プロテインをはじめとしたケミカルなサプリメントなどが推奨される。

一方、キャリステニクスが生まれた古代ギリシアは西洋の端でアジアとも近く、東洋的な考えとも親和性の高い場所だった。キャリステニクスはプロテインの類は一切使わず、普通の食事をするだけ。だから胃腸の調子がおかしくなることもない。よりオーガニックな身体思想で、ヨガとも親和性があると思う。室内だけではなく外(ストリート)でやるのも良い。

そういえば最近、ポール・ウェイドの盟友であるカバドロ兄弟の『ストリート・ワークアウト』も翻訳出版された。キャリステニクスはストリートカルチャーでもあるのだ。このへんはNewsWeekに出ている記事も参考になる。要はパルクールなんかとも近いし、Instagramとも相性がいい。

世界が熱狂するストリートワークアウト、「なぜ屋外で?」最強の2人に聞いた
<「監獄式」筋トレの最強トレーナー、ポール・ウェイドが激賞するのがカバドロ兄弟。...

もう一個言えるのが、キャリステニクスはアンチ資本主義だということ。ジムでハムスターのように走ったりして高額なお金を毎月払い、プロテインを日々摂取してプロテインメーカーに貢ぐ……「そういうのが運動の楽しさだったのか?」と異議申し立てをしていくカウンターカルチャーでもあるのだ。

プリズナートレーニング(キャリステニクス)の効果

ところで2年近くキャリステニクスをやっていてどうだったかというと、続けているぐらいだから非常に体の調子がいい。具体的な成果でいうと、特にこの1年(2021年)はしっかりやっていたので、野球に関して謎の進歩があった。チームの成績データをもとに、2020年と2021年の成績を晒すと以下のとおりである。

打率打点二塁打三塁打本塁打塁打数試合数打席打数安打盗塁得点四死球三振出塁率長打率OPS
2020.27351001011353395723.314.303.617
2021.4632594351206554251424103.538.9441.482

2020年はコロナでグラウンド使用の規制が厳しかったため試合数が少なく、そもそもまだ会社で働いていたため精神的健康レベルが低かったというのもあり、非常に低調だった。しかし2021年は打率・長打率・OPSともに大幅UPであった。同じ人間とは思えない。

ちなみに2018年以前は打率は4割〜5割程度と高かったのだが、会社での疲弊に比例するかのように2019年、2020年に急降下し、この2年は2割台だった。それがここに来てV字回復し、2018年以前と比べても長打力が大きく向上している。これは、捉えた打球が簡単に外野オーバーや間を抜いていくようになったことによる。OPSに至っては、2021年の大谷翔平の.965すら大幅に超えた1.482である(こっちは草野球ですが……)。

ということで、(やや強引ですが)キャリステニクスのおかげでパワーはかなりアップしたと思います。

最近やっていること

プリズナートレーニングは大きく分けて6種類あるのだが、メインとなるのはプッシュアップシリーズ、スクワットシリーズ、プルアップシリーズ、レッグレイズシリーズの4つで、それぞれステップ1〜10の段階がある。残り2つはブリッジシリーズ、ハンドスタンドプッシュアップシリーズだが、この2つはあんまりやっておらず、前者の4つをメインにするようになった。

プッシュアップシリーズ

これは現在、ステップ5のフルプッシュアップをやっている。まだレベルがそんなに高くない。最近、重点的にやるようにしている。

スクワットシリーズ

これはステップ7のアンイーブンスクワットをやっている。他のシリーズに比べて進捗が大きいのは、ウエイトトレーニングをやっていたときからスクワットは重点的にやっていたからだと思う。ネットでプリズナートレーニング関連ブログ(なぜか大量に上がっている、多分本当にめっちゃ流行っているのだと思う)を漁ると、このステップがそもそもできないという声が多かったが、「アンイーブンスクワット」でググると攻略法がけっこう出てくる。僕は普通に5回ぐらいはできるようになった。今は5回×左右×2セットぐらいはできてきている。

プルアップシリーズ

これは現在ステップ4のハーフプルアップをやっている。プルアップは、ステップ2のホリゾンタルプルで挫折しそうになった。アンイーブンスクワットと同じく、「ホリゾンタルプルで挫折しそう」という証言が多数出てくる。でも焦らずにじっくりやるようにしたら、なんとか「上級者の標準」までできるようになり、そこからステップ3、4と進めた。

レッグレイズシリーズ

これはステップ5のストレートレッグレイズまで来た。

ブリッジとハンドスタンドプッシュアップはどうするか?

この2つは、最初のほうはやっていたが、途中でやめた。『プリズナートレーニング』をちゃんと読むと、「ブリッジは、クローズスクワット(スクワットのステップ6)とハンギングニーレイズ(レッグレイズのステップ6)ができてからやれ(224ページ)」と書いてある。ハンドスタンドプッシュアップに関しても、「クローズプッシュアップ(プッシュアップのステップ6)ができるようになってから取り組め(263ページ)」と書いてあるのだ。

僕はそれでも最初は、ブリッジとハンドスタンドプッシュアップをやってみたくてステップ1から始めてみたが、マジでステップがなかなか上がらないし、なんか他のシリーズに比べてキツイのである。なので、プッシュアップ、レッグレイズがステップ6に到達してから取り組もうと思っている。ポール・ウェイドの言うことはやはり正しいのだ……。

ゲームとしてのプリズナートレーニング攻略のコツ

結局、ポール・ウェイドの言っていることをきちんと守ってステップを進める、にかぎる。

たとえば、ステップ1のウォールプッシュアップ、ヴァーティカルプルなどは、誰でもできそうなものなので、さっさと次のステップに行ってしまいたくなる。でも、ポール・ウェイドは「焦らずに進んでいけ」と言っているので、焦らずに、それぞれのステップが「ラクにできる」ようになるまでやった。そもそもステップ1は「上級者の標準」とかになると1セット50回とかなので、地味にきつい。

でもここをサボらず、ラクにできるようになるまで辛抱強く続けると、たしかに後のステップが進みやすい感じがある。「俺はフルプッシュアップできるから最初からそれやるわ」ではダメで、ステップ1のウォールプッシュアップから完璧にできるようにならないといけないのだ。

ステップ4〜5くらいになると、課されるレップ数が少なくなってくる。そうすると日常のちょっとしたときにやれるので良い。ここに到達できたのは、クソみたいにレップス数の多い初期ステップをきっちりやったからだと思う。体も目に見えて変わり始めている。

しかし、プリズナートレーニングは本当にゲームっぽい。ゲームをやるときは攻略Wikiや攻略ブログ、他の人の攻略状況などが気になったりするが、プリズナートレーニングに関してもググると山程出てくる。自分以外にも攻略に励んでいる人がたくさんいて情報共有もあるので、続けやすい。僕はプリズナートレーニング勢のなかでは、二大激ムズポイントとして知られるホリゾンタルプルとアンイーブンスクワットがすでにできているので、ゲームとしての「プリズナートレーニング」のプレイヤーとしては中〜上級者ぐらいにはなれたと思う。

今後の予定

プリズナートレーニング第2弾『超絶!! グリップ&関節編』も読んだ。フラッグ系にはまだ挑戦していないが、ポール・ウェイドが勧めるストレッチの3種目、トリフェクタ(ブリッジホールド、Lホールド、ツイストホールド)には取り組んでいる。この3つは家で仕事をしている合間とかにもできるし、普通のキャリステニクスと違って毎日やってもいいらしい。第1弾と第2弾は合わせて読んだほうがいいと思う。

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今後は、クローズスクワットとハンギングニーレイズができるようになったら、中断していたブリッジシリーズとハンドスタンドプッシュアップシリーズも進めていこうと思う。それと、『超絶!! グリップ&関節編』のフラッグ系もやるかもしれない。

そのあたりができるようになってきたら、第3弾の『実戦!!! スピード&瞬発力編』に取り組めたらいいなと思う。

道のりは遠いのだが、過去にやっていたウエイトトレーニングと違って体調も悪くならないし、少しサボっても退化しないし、関節の調子もよくて、精神的な健康にもよいので続けられていると思う。

(了)

編集者、ライター。1986年生まれ。2010年からカルチャー誌「PLANETS」編集部、2018年からは株式会社LIGで広報・コンテンツ制作を担当、2021年からフリーランス。現在は「Tarzan」(マガジンハウス)をはじめ、雑誌、Webメディア、企業、NPO等で、ライティング・編集・PR企画に携わっています。
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