キリスト教の七五三

雑記

僕は新宿区に住んでいるが、実家は横浜市青葉区にあり、気分転換したいときに実家に帰って家族と交流したり姪と遊んだりしている。

それで昨日の土曜の午前中、新宿の公園で野球の練習をしていたら、母親から電話がかかってきて「四谷のイグナチオ教会で姪ちゃんの七五三があるから見に来ない?」と言われた。

「キリスト教の七五三? なんやそれ!」と思い、自宅から四ツ谷は自転車で20分ぐらいしかかからないので、行ってみることにした。

四谷のイグナチオ教会

イグナチオ教会は、四ツ谷駅のすぐそば、上智大学に隣接するカトリック教会である。わりと(かなり?)由緒正しい教会であり、建物自体もけっこう大きい。僕の父は彫刻家で、イグナチオ教会が改装する際に教会ホール内のキリスト像とマリア像を作ったので、僕自身も何回か行ったことがあった。ちなみに実家はクリスチャンというわけではなく、父だけがクリスチャンである。父はパブリックアート(公園とか公共空間に設置されるアート作品)を多く作っているが、キリスト教彫刻も作ることが多い。

イグナチオ教会は行くとけっこう面白くて、なかなかに広いホールで、普段の日はキリスト教徒の人がお祈りをしにきていたり、なんとなくボーッとしにきたりしている。教会というと入りにくいイメージがあるが、ほとんど公園のようである(多くの教会がそうだと思うけれど)。

キリスト教会での七五三の式典

現地に行ってみたら、うちの姪は、キリスト教の七五三なのに和服を着ていた。要素が渋滞している。母親(自分の姉)のお下がりであるらしい。七五三参加者の子どもたちはけっこうたくさんいて、洋装が多いが、和装の子もちょこちょこいた。

受付を済ませたら、教会ホール内でなんとなく式典がおこなわれる。そのときに「キリスト教の七五三って何?」と母に聞いたら、「キリスト教は現地の文化に合わせてこういうイベントをやるんだよ」と教えてもらった。

そういえばクリスマスとかイースターも、そもそも異教のお祭りが起源ということだったが、キリスト教のローカライズはすごい。まさか七五三までやっているとは。ローカライズが徹底している。

式典は、賛美歌とか神父さんのお話とかがあった。なかなかに盛大なイベントであり、もちろん教会のお金儲けという側面はあるだろうけれど、教会の人たちの「子どもたちの健やかな成長を願う」という思いが感じられるものだった。

企業とかだと、なかなかこういう地域貢献活動とかはできないだろうな〜と思った。ある種、ボランティア活動やNPO活動の原初的な姿でもあると感じたが、そういう活動をする際には、やはり宗教というのはある種のエクスキューズとして非常にうまく機能する。

式典の最後には、参加した子どもたちに「マリア様とイエス様の千歳飴」が配られていた。それが冒頭のアイキャッチ写真である。ローカライズが凄い。宗教の面白さ、パワーを感じた体験であった。

(了)

中野 慧 (Kei Nakano)

1986年生、ライター・編集者・ディレクター。PLANETSにてWebマガジン編集、株式会社LIGで広報/メディア事業を経験したのち現在フリーランス。過去に構成・編集を担当した書籍に『「絶望の時代」の希望の恋愛学』(宮台真司編著、KADOKAWA/中経出版)、『ナショナリズムの現在』(小林よしのり他著、朝日新書)、『現役官僚の滞英日記』(橘宏樹著、PLANETS)、『若い読者のためのサブカルチャー論講義録』(宇野常寛著、朝日新聞出版)など。現在は、PLANETSにて月イチで「文化系のための野球入門」を連載中。
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