記事内での小見出しの付け方

ライティング・編集

このにどね研究所では、これまで編集・ライティングに関するノウハウ記事的なものをちょこちょこ上げてきました。初歩として「フォルダ管理の方法」「文字起こしのやり方・意義」「整文のやり方」の記事があります。

本当は整文の後工程である「構成のやり方」、そしてそもそも取材前の「企画書の作り方」などを書いておかないといけないですが、正直、工程ごとに順番に書いていくと微妙にモチベーションが上がらないというのがあります。ただ、必要が出てくるとやるんですよね……。

で、いまちょうど仕事で「小見出しの付け方」を伝えなければいけないので、今回は「小見出し」について書いていきます。なお、この記事はあとでどんどん改訂していくと思いますのでご了解ください。

小見出しはなぜ必要なのか

小見出しをつける意義は基本的に「読みやすくするため」です。

たくさんのテキストを読みこなすとき、小見出しがついていないと「そのテキストにどんな文章が書いてあるのか」の予想がつかないので、非常に読むのが億劫になってしまいます。逆に、気になる内容の小見出しがあると「どんなことが書いてあるんだろう?」と読みたくなる、と。

これは小説のように上から下まで順繰りに読むものと、情報系の文章でちょっと違います。情報系の文章は飛ばし読みできたほうがよいです。必要な部分を取り出して読む、ということですね。

そして小見出しは「コピー」だと考えたほうがよいです。書籍なら「タイトル」「章タイトル」はコピーライティング的に考えるわけですが、その次に「小見出し」もコピーだと考えるのです。重要度は

タイトル>章タイトル>小見出し

です。どれも「コピー」だと思って書く必要があります。

テキストも「往きて還りし物語」だ!

しかしコピーというものは、本体となるテキスト=本文と違うものであってはいけません。なので本文はきっちり固めていく必要があります。

ライティング・編集をする際には、正直いろんなやり方がありますが、大まかにはこんなやり方をするといいのではないかと思います。

①まず企画のタイトル(書籍タイトルや連載タイトルなど)・コンセプトを定める→各章の内容を決める→本文をつくる。

②実際に本文のテキストを固めていくなかで、小見出しを再考する

③章タイトル、タイトルをもう一度再考する。

ジョージ・ルーカスなどにも影響を与えたことで知られる神話学者ジョーゼフ・キャンベルは「世界中の神話は『往きて還りし物語』である」ということを言っているわけですが、記事の企画も基本的にはこれと同じだと考えられます。往還をすることで全体が締まったものになるわけです。

本文を固めるときには、適切な「節のブロッキング」をしよう

本文を節単位で区切るときには、その節の区切り方(これをブロッキングと言ったりします)が本当に適切なのかを考える必要があります。

適切なブロッキングができていないと、適切な小見出しを付けることもできません。

節内で主題となる内容が複数入ってしまわないように、できればブロッキングは1トピック単位でしましょう。

またこのとき、各ブロックの長さがあまりにもバラバラだとよくないので、あまりにも短いブロックは連結してしまったりします。それで各ブロックの長さをおおむね同じくらい(ここは多少のばらつきはでてもいい)にしましょう。

※このあたりは「整文」の記事でも少し解説してあります。

実際に小見出しを付けていく

「整文」の記事では、「大まかに小見出しをつけておこう」ということを書きましたが、実際に小見出しを考えていく段階では、こんな感じのパターンで考えます。

小見出しの付け方としては、下記のようなパターンがあります。

(1)節の要約をする(ただし結論は言わない)
(2)疑問系を使う(多くの人が抱きがちな疑問に節内で答えている場合)
(3)節内の印象的なフレーズを借用する
(4)結論を言う(※ただし一般的な話ではなく「えっ、それってどういうこと?」と疑問に思わせる意外な結論の場合のみ)

順番に解説していきます。

(1)節の要約をする(ただし結論は言わない)

これは普通に節の要約をテキストで書く、というものです。ただし小見出しで結論を言ってしまうと、本文を読んでもらえなくなってしまいます。小見出しで伝えられることはわずかで、本文を読んでもらって冗長性も含めて理解してもらう必要があります。そこの冗長性への気づきのブリッジとして、ある程度ぼやかして書いて興味を惹く必要があります。

小見出しにかぎらずライティングすべてに言えることですが、メインターゲットをある程度、想定しておくことは大事です。そのメインターゲットの人たちを思い浮かべながら、その人たちに刺さる、面白い、ひっかかりを覚えてもらえるようなものを書くことをめざしましょう。

(2)疑問系を使う(多くの人が抱きがちな疑問に節内で答えている場合)

こちらは、やはりメインターゲットを想定し、その人たちが抱きそうな一般的な疑問を小見出しに立ててみる、というパターンです。ただし、節の内容が、その疑問にちゃんと答えている内容になっていることが必須条件です。

逆に、節内が「メインターゲットの抱きがちな疑問に答えているな」と思ったら、小見出しはこのパターンを選ぶとよいです。

(3)節内の印象的なフレーズを借用する

これは新R25とかがよくやっているパターンですね。特に新R25はタイトルに使うことが多いですが。

ちょっと名言風だったり、なるほどなと思えるフレーズがあったら、「」(カッコ)などで囲んで、そのフレーズを小見出しに持ってきます。

ちなみにこの手法は、自分でコピーを考えなくていいので簡単なわりに、けっこう本質的でもあるので、使い勝手のいいパターンです。

(4)結論を言う(※ただし一般的な話ではなく「えっ、それってどういうこと?」と疑問に思わせる意外な結論の場合のみ)

これは書いてあるとおりです。一般に思われる常識とか、メインターゲットが想定していそうな知識を裏切るような内容が節内で書かれている場合は、その結論をズバリ使ってしまいましょう。「えっ、それってどういうこと?」と思ってもらうのは、小見出しライティングでとても大事なところです。

まとめ:小見出しのライティングでやっておきたいインプット

上記の観点で、Webメディアなどがどんな小見出しをつけているのかを意識して研究してみましょう。

で、結局小見出しのテキストを考えるというのはコピーライティングなわけなので、コピーの書き方の本などを読んで勉強するのもよいです。下記はコピーライティングノウハウの定番本です。細かい解説はしませんのでAmazonレビューなどを参考にしてみてください。

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メインターゲットを想定するには「dマガジン」で研究

あとは「メインターゲットを想定する」というのが重要です。これをできるようになるにはどうすればいいかというと、メインターゲットとなる人たちがたくさん読者にいそうな雑誌を研究するのがよいと思います。

なんとなく、Webメディアじゃないほうがいい気がしてます。Webメディアはそういう「ターゲットに刺す」という意味では動物的な報酬系に頼りすぎているフシがあるので。

雑誌のほうがコピーは上品ではあり、先に勉強するならそっちのほうがいいかなと思います。上品なもの・洗練されたものを知った上で、トラッシュなものを知るほうが、幅が広がるのかなと。雑誌の研究は、dマガジンに入会すると、いろんな雑誌が読めるのでいいと思います。月額440円と安くて僕も入ってます。ただスマホではさすがに読みづらいので、iPadで見ることが多いです。

というわけで今回は以上です!

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本記事の執筆者は中野ケイで、編集者・ライターやその他いろんな仕事をしています。本記事を執筆している2021年4月現在、PLANETSにて、「文化的な視点から野球を捉える」がコンセプトの連載「文化系のための野球入門」を月イチで連載中です。こちらの連載では文化論としての野球、について書いています。

Twitterはこちら。→ @yutorination

もっと無意味な記事も書いていきますので、ときどき見に来ていただければ幸いです。

中野 慧 (Kei Nakano)

1986年生、ライター・編集者・ディレクター。PLANETSにてWebマガジン編集、株式会社LIGで広報/メディア事業を経験したのち現在フリーランス。過去に構成・編集を担当した書籍に『「絶望の時代」の希望の恋愛学』(宮台真司編著、KADOKAWA/中経出版)、『ナショナリズムの現在』(小林よしのり他著、朝日新書)、『現役官僚の滞英日記』(橘宏樹著、PLANETS)、『若い読者のためのサブカルチャー論講義録』(宇野常寛著、朝日新聞出版)など。現在は、PLANETSにて月イチで「文化系のための野球入門」を連載中。
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