みなさんこんにちは。かしゅーむです。
サラリーマンと草野球監督の2足のわらじを履いています。
プロフィールの詳細は文末をぜひご覧ください!
前回に引き続き今回は草野球に関して記事を書いていきたいと思います。
(1)草野球に声がけは必要か
というわけで今回は草野球の声がけについて書いていきます。
草野球チームを運営する監督として選手への声のかけ方や、試合中の声の出し方について考える機会が多く、その考えを整理するためにも今回の記事を書かせて頂きます。シリーズ風にしたいので〈街場の草野球論〉というタイトルにしていますが、中学高校の部活や、少年野球の指導などの参考に少しでもなればと思っています。
よくある根性論や意識高い系自己啓発ではなく、あくまで実際に起きたケースや、身近に起きそうなことを例に考えていきたいと思っているのでぜひお付き合いください。
そもそもなぜ声がけをするのか
僕が監督をしているチームはいわゆる「草野球」チームで、所属している選手のレベルやバックボーンは様々で、「試合に勝利する」という共通目標のもと試合には臨みますが、プロ野球や大学・高校の部活と違い、勝利至上主義の世界ではありません。
要はモチベーションも目標にもかなりバラつきがある状態なのです。
これに関してはチームとしての共通目標を掲げるといった対策が考えられますが、今回考えるのは試合中での声かけです。つまり、試合中の声かけでチームの一体感をどう高めていくかということです。草野球は参加メンバーの固定化が難しく、ポジションや打順が試合ごとに変わることも珍しくありません。そういった部活のように日常生活レベルで目標が共有しにくい状況では、1つの試合ごとに集中して一体感を高めることが重要だと僕は考えます。
では、どういった理由で声がけをするか考えてみましょう。
- アウトカウントを確認して次にするべきプレーを確認する
- 集中力を高める
- 緊張をほぐす、失敗をした選手のフォロー
主にこの3つが挙げられると思います。
「気合を入れる」といった要素もあるとは思いますが、あえて外しています。
今回は根性論ではなく、コミュニケーションとしての声がけを考えていきたいと思っているからです。
僕はチームでよく言っているのが「状況を確認しよう」という事です。
よく「声を出せ、声をかけ合え!」という激を飛ばすチームを見ますが、そんなことを言われても「バッチコーイ!」しか言えなくなってしまいます。
「アウトカウント・ランナーの位置・次にするプレー」この3点を常に共有し、声をかけ続けることが大事だと僕は考えます。こうすることで、野球の知識が浅いメンバーにもプレーの内容を共有ができて、次のプレーの想定ができれば必然的に試合への集中力が高まる効果があるはずです。
こう書くと、新入社員研修のようですが、常に報連相を繰り返すイメージです。よく「野球ができる人は仕事もできる」的な論説を見るのはこういった声がけが背景にあるのかもしれません。(ちなみに僕は会社の同期より昇格が3年以上遅れている優秀な人材です)
余談はさておき、声がけと聞くと根性論になりがちですが、コミュニケーションの観点から考えてみると面白いと思います。
部活や少年野球でも「辛いときは声を出せ!!」でなく、この「状況の共有」を意識させる方が集中力を高め、チームワークの向上にもつながるのではないでしょうか。
以上から、声がけは草野球にとって非常に重要なコミュニケーションだと僕は考えます。
(2)どんな声がけが有効か
声がけの重要性について考えてみましたが、次は実際にどういった声がけを意識すればよいかを考えていきたいと思います。
パターン1:試合中のルーティン
これは(1)でも書いた「状況の確認」で、これは非常に有効だと思います。
常に状況を確認することで沈黙の時間が減り、集中力と一体感が高まります。
また、この状況ではこのプレーをするという確認が必要になるので、必然的にチーム内でのコミュニケーションが活発になるはずです。
まずは「1アウトランナーなし!内野はオールファースト! 外野は長打ケア!」くらいの声がけをしてみることから初めてみましょう!もし言う内容が思いつかなければ周囲のマネでも、アウトカウントを言うだけでオッケーです。
パターン2:チームメイトがミスをした時
ここは議論が非常に分かれる分野です。
僕の考えはこうです。「具体的なアドバイスはNG・あくまで前向きな声をかける」です。
ミスをしたくてする人はいません。また、草野球においては野球経験が浅い選手が試合に出ることも多く、ミスはつきものであると僕は考えます。プレイの内容を正すことも重要ですが、僕も含め多くはミスをしたら指摘はされたくないもの。指摘が委縮につながり、同じようなミスを連発することにもつながります。というか学生野球でめちゃくちゃ怒られながらプレイしてたのが嫌で草野球をしている人が大多数だと思います。細かい話は試合後のミーティングなどで話せば良いのです。大事なのは「ミスをした人が次に前向きにプレイできること」です。
ちなみに声がけに関する記事をいくつか調べてみました。
他にも指導や声がけに関する記事は多くありました。
全てに目を通したわけではありませんが、「まずは否定しない」「理由を聞く」など、指摘を優先しない内容の記事が多く、僕と同じ考えの方が他にもいることに安心しました。
ケーススタディ:祐天寺さん(仮名)の事例から
先ほど述べた「アドバイスはNG」という箇所に関して、チームのGMでもある中野さんと大激論になりました。
とある選手(仮名で祐天寺さんとしましょう)がセンターを守っていて、左中間を抜かれたときに、中継プレイの送球をきちんと返せなかった(レフトに送球した)ということがありました。
中野さんは叱責ではなく、丁寧にどういったプレーをするべきかを説明していました。僕は試合中はそこまで言わなくていいと中野さんに言い、試合中にアドバイスすべきか否かを話し合いました。個人的には試合後に本人にアドバイスをする時間を設けるべきだと思うので、試合後ミ―ティングの充実を図ろうと思います。
ちなみに祐天寺さんに聞いてみると「草野球でミスはあるから気にしてないよ(キリッ」ということだったので、しゅくせ……今後は対話路線をきちんととっていくことにしました。
祐天寺さんのケースは若干特殊ではありますが、何かミスがあったら本人がそれに対してどう思っているかも聞いた上で、「こうした方がより良いよ」というスタンスでアドバイスできるようになればいいなと思います。実際野球の経験が浅いメンバーの場合は、ミスの内容自体がわからない場合も多く、「よくわからないまま怒られた」と感じてしまう危険性があるからです。
子供・大人に限らず「怒られたくない」という感情が優先になると逆に委縮をしたり、積極的なプレイができなくなる可能性があるので「指摘」の方法は常に気をつけるべきだと思います。
(3)まとめ
やっぱりカッとなってはいけない
僕は草野球の最大のテーマは「勝つこと」ではないと思っています。それは「野球を楽しむこと」です。どんなに野球が上手でも、勝利にこだわるあまり、経験の浅いメンバーを排除したり、強い叱責をしてしまうことだけは避けたいと考えます。
そもそも人はなぜ叱責してしまうのでしょうか。大体は「なぜできないんだ?」「俺がピッチャーのときにミスするなよ」とかこういった感情になっているケースが多いのではないでしょうか。要は自分本位なんです。
「なぜできないんだ?」こんなことはエラーした本人が聞きたいですよね。これは指導する側の人間が一緒に考えてあげるべき内容です。野球に限った話ではありませんが、スポーツ指導によく見られる叱責は単なるイラダチで行われていると僕は思っているので、何か人に注意したい場面があったら一呼吸置いてまずは励ます。そしてどう声をかけたら良いか考えましょう。草野球においても、何かミスがあったらまずは前向きな言葉をかける意識を持って欲しいと僕は考えます。
「俺がピッチャーのときにミスするなよ」こんなことを露骨に言う人はさすがにいないとは思いますが、他人のミスにイラついているときは大体こんな感情だと思います。気持ちはとてもわかりますが、怒っても仕方ないと思い、「そもそも打たれた自分が悪い」と自責の考えを持つようにしましょう。少しでも前向きにいくことが大事なのです。
まず何かミスがあったら注意ではなく励ます。とにかくこの意識が重要だと僕は考えます。そして時間を作って原因や解決策を一緒に考える。この流れがチーム内でできたらいいなと思います。「そんなの甘ちゃんのなかよしサークルじゃん!うちのチームはもっと意識高くいくよ。そうじゃないと発展しないしね」と思う方もたくさんいるとは思いますし、僕自身は甘い人間だと自覚もしています。
しかし、楽しもうと思って野球に来たのに嫌な気持ちで帰って欲しくはないのです。草野球に限らず、チーム運営、指導を行う方は一度でいいので立ち止まり、自分の行っているコミュニケーションは正しいか、目標を達成するためにに正しいか考えてみてはいかがでしょうか。
今回は草野球における「声がけ」について考えてみました。チームの状況によっては色々議論が分かれる内容だと思うので、ぜひご意見等ありましたら僕までお寄せ下さい。
次回は……弊チームの宣伝でもしてみようかと考えています。
(了)
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