横浜港湾部にある”知られざる”米軍軍事施設、「横浜ノース・ドック」

地理

横浜市政に関するペーパーを読んでいたら、横浜港湾部に「横浜ノース・ドック」という米軍軍事施設があることを知った。そしてなんと、よく見てみると、自分が中高時代によく乗り換えで使っていた東神奈川駅から海岸側すぐの場所にある。

いくつか参考になる記事があった。

2個目の記事は東京新聞の2023年1月18日で、かなり最近である。現時点(2023年3月13日)で米軍は、ここに新たに小型揚陸艇部隊(13隻、280人規模)を配備するらしい(参考:瑞穂ふ頭/横浜ノース・ドックへの小型揚陸艇部隊の新編に関する横浜市からの要請に対する国の回答について)。

部隊拠点になるということは、台湾有事の際などに米軍の出撃拠点になる=すなわち中国からの攻撃目標になる可能性も考えられる。横浜港湾部にこのような米軍施設があることをそもそも僕は知らなかったし、報道を見ると市民の関心も低いようだ。

ちなみに横浜ノース・ドックに入る「瑞穂橋」の手前には、米軍関係者が出入りするというバー「スターダスト」がある。

異国情緒漂う名店らしいので、そのうち行ってみたい。

不穏な空気が漂うノース・ドック関連イベントや見学会

たいていの場合、こういう米軍施設は市民交流イベントがある。

ノース・ドックの場合、「横濱ノースドックRunning Festival」というファンランイベントがあるらしい。Facebookページがあったのでいいね!しておいた。

横濱ノースドックRunning Festival | Yokohama Kanagawa | Facebook

ちなみに、直近の2022年秋には「在日米陸軍から、急遽、基地でのイベント開催が不可能になったとの通達を受け」たとのことで、なかなか不穏な空気が漂っている。(参考:横浜ノースドックラン2022 Autumn

横浜ノース・ドックのある「瑞穂ふ頭」には、横浜市風力発電所「ハマウイング」もあるが、見学もできるのだろうか。横浜市によると、

ハマウィングのある瑞穂ふ頭(神奈川区鈴繁町)は、一般の方が立ち入ることのできない場所であるため、自由に見学していただくことはできません。そこで横浜市では、市民の皆さまに間近で風車を体験していただくために見学会を開催したり、学校などの団体の方からの見学の御希望を受け付けています。

見学について 横浜市

とのことである。またしても不穏である。

「戦後史」の不穏さ

米軍関連の施設や史跡というのは、訪れてみると何かしらの不穏さを感じる。

このあいだ、代々木ワシントンハイツ跡地を訪れたときのツイート。用事のついでに行ってみた。

ちょうどそのすぐあと、ジャニー喜多川氏のスキャンダルがBBCで報じられた。

戦後すぐの歴史を見ると、日系アメリカ人と進駐軍のつながりというのは、戦後日本の文化にいろいろなかたちで影響を及ぼしていることが多い。一応、そういう本や研究も出ているが、文化史として一般常識になっているとは言いがたいと思う。

このあたりが自分でもなかなか怖いと思ったきっかけは、高校生〜大学生ぐらいのときに読んだ松本清張の『昭和史発掘』と、あとはそれ以前に読んだ手塚治虫の『奇子』という作品だった。『奇子』には下山事件のことが出てくる。

戦前のさまざまな負の歴史は注目されてきたが、戦争直後もなかなかに怖いところがある。手塚治虫でいえば、戦前戦後を描いた作品としては『アドルフに告ぐ』のほうが有名だが、戦後のことを描いた『奇子』のほうに怖さを感じる。連想を膨らますなら、横溝正史の金田一耕助シリーズでも、復員の話がけっこう出てくるイメージもある(『犬神家の一族』など)。

このあたりの話は、野球史のことも含め、少しずつ勉強してみたいと思います。

(了)

編集者、ライター。1986年生まれ。2010年からカルチャー誌「PLANETS」編集部、2018年からは株式会社LIGで広報・コンテンツ制作を担当、2021年からフリーランス。現在は「Tarzan」(マガジンハウス)をはじめ、雑誌、Webメディア、企業、NPO等で、ライティング・編集・PR企画に携わっています。
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