デスクワーカーは多少、ブルーカラー的な労働をした方がいいのでは説

アイデア

今回はデスクワークと肉体労働、それと近所の人と話して感じたことなどについて書いていきます。

「パソコンでカタカタやってる」は本当にスタイリッシュなのか?

このあいだ、住んでるマンションの下にあるコワーキングスペースでフリマ的なのをやっていたので、ふらっと覗いてみたのですが、そのときに来ていた水道屋さんの男性、内装屋さんの女性と話したんですよ。

で、今の悩みはとにかく人手不足だということを共通して言っていて。「自分たちってけっこう稼ぎがよかったりするんだけど、今の若い人はパソコンでカタカタやってるのがスタイリッシュに見えるみたいなんですよねー」と、そんな話をしていたのです。

僕は「パソコンでカタカタやってる」側(笑)の人間なのでという断りを入れた上で、「でも、画面の外に出られないのが悩みなんですよね……」という話をしました。というのも、そのフリマに出せるものなんて何もないわけで。基本的に自分の商売は画面の中で完結しちゃってるんですよね。画面の外に出られない。

編集やライティング、Web制作、あとグラフィックデザインとか、そのへんの仕事はなんでもそうだけれど「フリマに出店できない」。これが問題だなーと思うんです。もちろん同人誌とか作ればいいので、作ろうかなと思うしやりたいのですが、とはいえ本だと「メディアの筐体」である点ではまあWebと一緒だなと。ここで言う「画面の外」って、メディア(情報を伝える媒体)の外、みたいな意味合いなんですよね。

で、「画面の外に出られない」という悩みはもう一個の側面があって、モノづくりとか空間づくりとかって、仕事を終えたら「あー頑張ったー!」という心地よい疲労感とともに夜ぐっすり眠れるみたいなことがあると思うんですが、デスクワーカーにはそれがない、と。とにかく気分転換がない。たとえワーケーションで違う場所に行ったとしても、美しい山とか湖とかはあくまでも周辺視野であって、中心視野はパソコンの画面で、そこで見えてる景色は一緒なので。水道工事とか内装工事とかって、中心視野がグルグル変わるじゃないですか、おそらく。

もちろん僕の場合は自重トレとかウォーキングとか野球とかしているんですが、別にそれは自主的・市民的な意味でやっているのであって、労働者としてはやっておらず、1円も発生しないわけです。肉体労働をしていない。あ、「でもキーボード打ってるじゃん」というツッコミはなしです。「パソコンカタカタサイド」の人は、ほとんど頭脳労働をしてて、カラダの運動的にはキーボードを打つというめちゃくちゃ小さくて直線的な運動しかしていなくて、重いものを動かすとかではないわけですよね。

クルマのタイヤ交換というブルーカラー的労働で感じたこと

肉体労働という意味では、今日は実家のクルマ2台のタイヤ交換の作業をしたんですよね。これからの季節、7人もいる実家の人々は雪国に行くことも多いので、冬になるとスタッドレスへの交換が必要になるのです。

タイヤ交換というのは、朝から物置に置いてあったタイヤ8個を運び出し、近所の作業場に持っていく。ジャッキでクルマを持ち上げて、インパクトドライバーでタイヤのナットを取り外して、スタッドレスタイヤを再びインパクトドライバーで装着して、ノーマルタイヤを物置に戻す、という作業です。

これは僕ともう1人の2名でやったんですが、まず朝、今日の作業の目的を確認するブリーフィングをし、手順を考え、分担してテキパキと作業し、なんとか2時間で終えることができました。かつてはよくタイヤ交換をやっていたのですが今回は数年ぶりで、自分のなかで「人と一緒にやる」「計画をして分担をする」というのが重要だという思いが新たに芽生えていたので、そういうふうにやってみたわけです。

こういう工程だから、先にこれをやっておくと作業終了までの時間が短縮できるなと考える。先読みをする。このへんがやっぱり重要だなと思って、ブルーカラー的な肉体労働は実に勉強になる、ということを感じました。

あと、普段から筋トレしていて良かったなとも思うんですよね。というのも、重いものを持ち上げたり運んだりする作業ってなかなか動きとして不規則なので、カラダを鍛えていない状態でやるとカラダにガタが来るんですが、今のところ疲れがそこまで来ていない。原稿編集の仕事も進めたし、まあ今こうやってブログを書くこともできているので、そこそこ元気だなと。

野球をやっていても思うのですが、野球って投げるのも打つのも曲線的な運動なので、カラダが歪みやすいんですよね。で、トレーニングしておいて歪みにくいカラダにしておくと、疲れも蓄積しにくい。

感覚的には背骨、体幹のあたりに筋肉のクッションがなくてグラグラしていると、疲れが背骨とか腰のあたりに来て、キツいんだと思います。やっぱり自重トレで体操的な動きを普段からして、バランスよく鍛えておくのは大事だなと思った次第です。

家事を運動としてやる、気持ちの切り替えの訓練をする

まあ今回総合的に思ったこととしては、デスクワーカーであってもブルーカラー的な肉体労働はときどきしたほうが学びがあるし、そのためにも筋トレはやっぱりいいなということでした。で、悪いこととして、デスクワーカー(ホワイトカラー)にブルーカラー的な労働を体験させてお金取るビジネスとか全然成り立つんじゃないか? と思ったんですよね。「デスクワーカーのみんな! 気分転換にピラミッド作らない? 参加費2000円ね」みたいな感じで。

最近は家事をガンガンやるようにしていて、炊事や洗濯(ドラム式などで労働は主に洗濯ものたたみだけですが)はもちろん、ベランダのほうきがけ、フロアの掃除機がけ、窓拭きなどもガンガンやっているのですが、これは意外と運動になるなと。

で、気分転換にパッパとカラダを動かしておくと、気持ち(やテンション)の切り替えができるのでデスクワークにも取り組みやすいということでした。これまで、いつもデスクワークに気乗りがしなかったりするんですが、それは気持ちの切り替えの訓練をしていないからではないか? と思ったのです。気持ちの切り替えは普段から訓練しておくと、うまくなるみたいなこともあるのかな、と。自重トレでバランスよくカラダを鍛えておくこと、それプラス家事をガンガンやることによっていい感じの循環を生めるのではないか、みたいなことを思いました。

あとは、素朴に絵とか描いたほうがいいのかもしれないですね。パソコンやスマホの画面がずっと中心視野にある、みたいな状態が不健康なので、ペンとか使ったほうがいいのかもしれません。(了)

編集者、ライター。1986年生まれ。2010年からカルチャー誌「PLANETS」編集部、2018年からは株式会社LIGで広報・コンテンツ制作を担当、2021年からフリーランス。現在は「Tarzan」(マガジンハウス)をはじめ、雑誌、Webメディア、企業、NPO等で、ライティング・編集・PR企画に携わっています。
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