東洋経済でこんな記事が出ていた。
うーむ。フリーランスの文筆・編集って物価高でも原稿料って固定で、むしろ最近は原稿料に交通費入れてくださいということで実質下がるケースもあり、しかも1年単位で見ると今後はインボイスで収入の1割が減るわけで、どうなんだろうなという気がする。たとえば出版社に「原稿料上げてください〜」なんて非常に言いづらい。相手だって売上が上がっているわけじゃないことがわかっていると人道的に心苦しい。フリーランスの賃上げは、そういう意味でなかなか困難が伴う。
本質的には、円安なので、日本国内で生活することを考えれば海外の仕事をするとかがいいのかもしれない。為替を考えればドルでもらうほうがいいのである。
えっ、海外の仕事をするの? というと大変な気がするが、実際僕は日本語の電子書籍を海外でも売っていて、日本の市場ほどは入ってこないけれど、わずかながら海外からの売上を得ていたりするのだ……。別にそれ自体は思うほどすごくハードルが高いわけではないし、伸ばす努力をそもそもまったくしていないので、そういうのもありかもしれない。
もしくは、海外の日本語メディアとの関係づくりをして、仕事をもらうというのもありなのかもしれない。現状、アイデアとしてはちょっと前から「そういうのも楽しそうだな〜」と思っていたのだが、具体的に動いているわけではなかったので、落ち着いたらそういう営業活動をしてみるのもいいかもしれない。まあ、インボイス対応とあわせて事業計画の作成が必要なんだけど、少しずつやっていくか…。
そもそも語学のハードルにしても、今のうちから蓄積していけばいいような気もするしね。英語・韓国語・中国語など。
そういえば以前、『サードドア』著者のアレックス・バナヤンさんの取材の仕事もしたことがある。とてもいい機会で、ありがたかったなと思う。
PLANETSのときには香港の社会学者、張彧暋(チョー・イクマン)さんの取材もした。もちろん張さんはかなり日本語ができるので、それに頼らせていただいたのだけど。
今度、別企画で、あるヒットメーカーの翻訳者の方の取材が取れたので、そのときにもいろいろ聞いてみようかな。もちろん取材は媒体ありきのものなので、媒体特性は外さないけれど、「本筋とは別に、こういうことをこのひとに訊きたいな〜」などと考えて取材企画を考えるのは、意外と発想が広がっていいのだ。
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そういえばビジネスメディアといえば、今号のプレジデントがなかなか攻めている。
個人的には養老孟司、内田樹、甲野善紀といったひとは、売れすぎてたりしてイロモノ扱いされているのがなんだかなぁと思っており、彼らの思考はなかなか面白いと思う。いわゆる正統的な「文化系」からは重く見られていないけれど、大衆は案外賢いというのもある。共通するのは「東洋」的な感性の復権である。正統派文化系は「陰謀論者っぽい」と他人から思われることをめちゃくちゃ恐れるので、養老さんや内田樹さん、甲野さんのようなひとをちゃんと見ようとはしない。押川春浪的に言えば「体弱く気従って弱く、恋歌を唸って滝壺に身を投ずるが如き輩」だからだと思う。
最近は医療でも漢方が見直されたりしているが、西洋近代的な思考“のみ”に縛られてしまうのではなく、大衆的な感性をきちんと見ていきたいところだ。
さて今日は野球が中止になってしまったので、代替開催される天狗倶楽部的飲み会の前に毎日の執筆・インプットのルーティンをこなしていこう。週明けには打ち合わせもあるし。
(了)
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