今回は、正直感想を書く気があんまり起きなかったのです。
別に普通に面白いとは思うんですけどね。デイモンは冒頭からいきなりああだし、婚礼でレイニラとああいう感じになってるし、父王ヴィセーリスが心臓止まりそうになってる絵面もまあ面白い。
だけど、なかなか悪趣味な話ではあるんですよね。期待されていたクリストンも、あれ、もしかしてイケメンだけどアホの子なの…? と思えてしまうし。
GOTって、やっぱりホッとする瞬間ってけっこうあったと思うんですよ。ジェイミーもティリオンもそうだし、何よりアリアとハウンドのパートが良かった。ブライエニーも良かったしポドリックも良かったし、なんだかんだヴァリスも良かった。サムとジリも良かったですよ。ブロンもね。このへんは武士道的なまっすぐさとユーモアが絡み合っていた。
だけとHOTDは、サーセイとデナーリス的な人ばっかりがいる世界ですよね。暗い。一瞬の清涼剤とか、アホなこと、ユーモラスなことがない。ねじまがった人ばかりがいる。そのなかでとびきり暗いのがデイモンなわけですよ。
前作GOTもたしかに全体的に暗いんですが、アリアを筆頭とする真っ直ぐな人たちのおかげでなんとか保っていた。ところが我々はGOTでメンタルを鍛えられているので、アリアのいない世界でも耐えられてしまう。
今回明らかになったのは、デイモンは道明寺であるということですよね。道明寺はねじまがった人だけど、つくしという清涼剤のような存在のおかげでなんとか立ち直ってく。でもHOTDの世界につくしはいないんですよ。もしかしたら「まーきのっ♡」とか言ってくれるかもしれなかったクリストンがあの感じなので、より絶望感が深い。
とはいえ、つくしのいない世界で道明寺がどこまで堕ちていくのか見たい気もする……そしてレイニラも、つくしというよりは道明寺性が強いですよね。
HOTDは、いまいち特撮的な(正義を最終的には重く見る)物語にはなっていなくて、悪に堕ちていく物語になっていく気がしていて。だから、メンタルが安定していないとなかなかきつい話ではあるんですよ。
ある意味では、非常に狙いすました、世相を反映したマーケティング的な作品にはなっているのかなと思います。報酬系を刺激されるってやつですね。もちろん完成度はすごく高い。GOTよりも高い。だけどソドムとゴモラというか、旧約聖書的というか、そういうものになっていく気がします。そして思うのは、アリアというのは実に思想的に「はみ出た」ヒロイン像だったのだなと。
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ただ、もしかしたら眞子さまにとっての小室圭さんのように、あらぬところからレイニラを救う不良が現れてくるのかもしれない。
やや話がそれますが、小室圭さんは僕はすごいと思っているんですね。「愛するプリンセスを苦しめる日本的世間には屈しない!」「俺が眞子の居場所を作ってやる!」という気概、ニューヨーク州司法試験に何度跳ね返されても挑戦し続ける不屈の精神。
小室さんの存在を考える上での先行事例があって。10年ほど前に、スノボの國母和宏さんが、「オリンピックに行くのに服装が乱れている」ということで日本的世間から総バッシングを受けましたが、そのあとの会見で「(チッうっせーな)反省してまーす」という名言も残した。
小室さんも國母さんも、日本的世間の抑圧を跳ね返す不良のモデルを示してくれた人たちでした。もしかしたらデイモンもそうなるのかなぁ、どうなんだろうな。でもそういう感じでもない気はしますね…。ということで次回以降、感想を書く気が起きるかは不明としておきます。
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