昼寝について

生活

最近、企業などでも「パワーナップ」とか言われて昼寝を推奨する動きがある。これに関しては僕もいろいろ試したり、思ったことがあるので書いておきたい。

まず、うちの実家の両親は二人とも芸術系のフリーランスである(父は美術大学の先生でもあったが)。それで、子どもの頃から両親を見ていて思うのが、彼らは平日もけっこう昼寝していた。当時の僕は「この人たちは昼寝をするなんて、なんというナマケモノなのだろう」というふうに、正直思っていた。

で、自分が働き始めてから、働き方をいろいろ考えるなかで、「パワーナップ」みたいな動きを受けて、会社ではときどき昼寝をしたりもしていた。でも結局はあまり習慣化まではしなかった。何となく人目が気になる、というのもあったのだと思う。

フリーランスになってから、意識高く昼寝を取り入れるみたいなこともあったが、どうも寝すぎてしまうのである。たとえばある著名なITエンジニアの人が昼寝を取り入れていて、昼寝するときはパジャマも着てベッドで寝る、というふうなことを言っていたので真似してみたこともある。ところが僕がパジャマを着てベッドで寝ると、普通に3時間とか昼寝をしてしまうのである。

「意識高く昼寝をする」ということこそが問題だ

パワーナップとか意識高い用語で昼寝を肯定するのは、結論としてどうもしっくり来ない。さらに意識を高め、パジャマを着てベッドでパワーナップ、というふうになると、もはや全然ダメである。

最近思ったのは、昼寝は意識高くやってはダメである。

今やっているのは、そもそもしっかり寝るということ。8〜9時間は寝る。それでさらに昼寝もする。

昼寝は、普通の服で(そもそも僕は家で仕事をしているが朝はちゃんと着替えている、そのほうが区切りがつくと感じるため)、お昼ごはんが終わって、もしウトウトしてきたら、書斎のソファで5分ぐらい寝るのだ。書斎というパワーワードが登場したが、郊外の広い家に引っ越した結果、書斎が誕生したのだ。名前は作業場でもいいかもしれない。

そして作業場には、ソファを置いている。ここのソファで5分ぐらい寝るのである。眩しかったらアイマスクをする。目安は5分、寝る前にカフェインを入れておく。

こういう感じで手軽に5分ぐらい寝ると、たしかに起きたらちょっとすっきりする感じがある。

おそらく「活動時間を増やすために昼寝を入れる」という発想を捨てること。一日で活発に活動できる時間は4時間とか、せいぜい6時間程度であると割り切る。8時間とか10時間とか12時間とかフルに活動しようと思うとめちゃくちゃ疲れて持続性がないと感じた。だから1日、デスクに座っている時間は8時間とかあったとしても、活発にできている時間はせいぜい4時間ぐらいだと考える。

それで、その短い時間で集中して物事に取り組む上で、5分程度の昼寝はたしかにそれなりに良くて、夜寝てもけっこうすっきりする感じがある。

ちなみに昼寝については、なんとあのビジネス書の古典、デール・カーネギーの『道は開ける』の第7章「疲労と悩みを予防し心身を充実させる方法」でも書いてあった。

道は開ける 文庫版
道は開ける 文庫版

カーネギーによれば5分でも休息することには効果があるらしい。

そこで思ったのが、5分の休息の際にはスマホを見ない。スマホを見ないで何もしないようにすると、横になる、目をつぶる、ということになる。これが結果的に「昼寝」と呼ばれるものなのかもしれない。「5分間なにもしない」はけっこう長い。でも、これがいいのかなと思う。

冒頭で、フリーランスの両親の昼寝について触れたが、今思うに、彼らは一種の生活の知恵として昼寝をしていたように思う。

昼寝は意識高くやるものでなく、自分の体に従う、ちょっとオフラインになるみたいなことなのかもしれない。

(了)

編集者、ライター。1986年生まれ。神奈川県出身。一橋大学社会学部卒、同大学院社会学研究科修士課程中退。雑誌、Webメディア、PRコンテンツ等の制作を経験し、2021年からるろうにとなりました。PLANETSで「文化系のための野球入門」を連載中です。
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