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「締切を守れない」というストレスを解消したいので暫定的な解決策を考えた | にどね研究所

「締切を守れない」というストレスを解消したいので暫定的な解決策を考えた

雑記

今回は仕事面での「締切を守れない」というストレスに絞って考えてみたい。

仕事で「締切に間に合っていない」というストレス

仕事では、とにかく「締切を守れない」ということが大きなストレスになる。

ここ数年、慢性的に「締切を守れない」というステータスに陥っており、その状態に慣れるとそれがデフォルトになってしまう。

20代の頃、PLANETS編集部にいた頃はどうだったかというと、まあ自分の持つ原稿仕事のほうは間に合ったり間に合わなかったりはあったが、進行管理の最後の砦でもあったので、対外的締切はだいたい守れていたと思う。でなければ毎日、書籍化可能な質・量のメルマガを出し続けることはできない。

そしてLIGにいたときの前半は、結局PLANETSでやっていたようなメディア進行管理がメインだったのでなんとかなった。だがその後、会社員生活後半で別の仕事(クライアントワーク)に移った頃から、おかしくなっていったように思う。やがて慢性的に「間に合わない」がデフォルトになってしまった。

これは自分だけでなく他の人を見ていてもそう感じるのだが、「なんか最近あの人、仕事できないよね」というとき、たいていその人はキャパオーバーで頭が停止してしまっているのだ。そこに「根性でなんとかせい!」「考え方を変えろ!」みたいな根性論・精神論を持ち込んでもしょうがないのだ。

そういう人を前にしてマネジメント側がやるべきことは、今だからわかるのだが、①ひとまず漸次的に業務量を減らしてあげること、②業務量が減ったことは本人のためであることを繰り返し伝えるコミュニケーションをとること、だと思う。必要なら産業医、精神科治療などにかかってもらって、さらにはマネジメント側と医療側との連携も必要もしていかないといけない。

でも、より根本的な原因まで遡ると、そこまで業務量を課さなければいけないその会社のビジネスモデルの問題でもある。それに、「医療側も含めた丁寧なコミュニケーションに時間を割くのがきつい」という話もあるが、もしそうなのであれば、それは企業体力の問題でもある。だからきちんと収益性の高いビジネスモデルであるかどうかは、究極的にとても重要だと思う。当たり前か。

話を元に戻すと、フリーランスの場合は、会社からのそういったサポートを望むべくもないので、まさに「自助」が必要になると思った。

で、「締切に慢性的に間に合っていない」という状態は徐々に人の心を蝕む。

「締切に間に合わない」というのはいろんな段階があるが、究極的には「工数と締切が見合っていない」ということだと思う。それを少しブレイクダウンしてみる。

工数の見積もりができていない

これは経験が浅く、工数が見積もれていない、ないしは工数見積りの習慣をそもそも持っていないということだと思う。工数見積もりをできるようになるには、「何にどれぐらい時間がかかったか」を、作業開始時から作業完了時までの時間を測ってGoogleカレンダーに記入していくのがよい。それを習慣化していくと、ある程度、工数が見積もれるようになってくる。まあ、自分もそのへんまだまだできたりできなかったりですが……。

スケジュール管理ができていない

これは「工数が見積もれていない」とよく似ているが、フリーの場合はいくつかの案件を同時並行で進めていることが多いと思う。その場合、「この日はこの案件」「この週はこの案件」「この月はこの案件」というふうに、短期から長期まで、力を入れる案件のおおまかなスケジュールを、できれば現実的に、引いておくことが重要だ。自分はいま週7で働いているが、当面の目標としては、週2日は休めるようなスケジュールを引けるようになりたいと思う。

工数と締切が見合っていないときに、それを相手方に交渉できない

工数をある程度、自分で見積もれるようになっているとして、「この仕事でこの締切は無理では……」と心の中で思ったとしても、それを雰囲気的に言い出せないというケース。これはあとで結局、締切をズルズルと破るということになる。こういう場合は、「無理では……」と心の中で思っていたとしてもそれを見ないフリをして、「がんばります!」と根性前提で答えてしまう。自分のような、心は文化系で気弱(よく言えば気が優しい?)なのに体育会系カルチャーで育ってしまった人間が陥りがちな罠かもしれない(そんなやつが世間的に割合として多いかはさておき)。

結局このときは、自分の心というか、「勘」で感じることを、見ないふりをするのではなく「ちゃんと認める」ことが大事だと思う。ただしこれは「自助」が必要なフリーランスに必要な心構えである。会社などでは周囲が「気づいてあげること」、「その人がそれをだんだんできるようになっていくような勇気づけをしていくこと」、が重要だと思う。普通、こういうことは自分ではなかなか気づけないことだと思うので。自分が「周囲」ポジのときはそういう人間でありたい。

工数が見積もれない、締切交渉ができない人の3ステップ

工数を見積もれない、締切交渉もできない。これがまずゼロポイントだとする。何事もベビーステップで進んでいくことが大事だ。

①締切を守れなさそうなときは、締切日時までに状況を伝える

そうなると第一歩は、「締切に間に合わなさそうだったら、締切日までになんでもいいから必ず相手方に状況を伝える連絡をする」。これをできるようになることを最初の目標にするのがいいと思う。

「なんだそれ!? そんなの人として当たり前じゃないか???」と思われるかもしれない。でも自分も含め周囲も含め、これができない人が世間的に過半数であるように思う。なのでこれができるだけで価値が出る。

それと、一般に「人として当たり前」と言ったときの世間的な基準が高すぎるようにも思う。「人間」という言葉にはある程度、人格的に完成されたものが想定されているが、大半のホモサピエンスはそこまで到達できていない。ホモサピエンスに期待するハードルをもっともっと下げないといけない。

②「いつまでにできます」を伝えられるようになる

そして「まず締切日までに何らかの連絡をする」がクリアできたとき、次に相手方が気になるのは「いつまでにできるのか」だから、そこを先回りして「いついつまでにできます」を伝えられるようになるのが第二段階だと思う。

これも「当たり前じゃないか!?」と思われるかもしれないが、やはりホモサピエンスに対する期待が高すぎる。期待水準を下げなければならない。

締切を守れなかったあとで「いついつまでにできます」を言えるというのは、考えてみると「工数が見積もれるようになっている」ということでもある。もちろん、締切前までに間に合うように工数見積もりやっとけよ、という話ではあるが、それもまたホモサピエンスに期待しすぎているかもしれない。それよりも、「最初の締切は間に合わなかったけど、今度は現実的な工数見積りを出せるようになった」というふうに自他ともにポジティブに解釈したい。ちなみに新しく出した締切をもし守れなかったら、また①の「締切日時までに状況を伝える」に戻り、その上で②「いつまでにできますを伝える」をやり直す。連絡なしに遅れるよりは、連絡をしておいたほうが良い。

③ ①②ができるようになってきたら自分を褒める

①②をトレーニングしていけば、信用は減るかもしれないが、「工数見積もり」「交渉」の第一歩を踏み出していて、人間としてはだんだんレベルアップできているので、全然いいと思う。なので、できるようになってきたら自分を褒める。これが第3ステップになり、初歩が仕上がったということになると思う。

まとめ

これでこの記事はいったん終わりですが、書きながら妖怪人間ベムの「早く人間になりたい……」というセリフが浮かんできた。妖怪人間は妖怪人間のままでもいいんじゃないかと思うが、もし「人間になりたい」と思うのであればそれは個人の自由だとも思う。

僕は妖怪人間のなかでも「人間になりたい」派で、しかも「自助」が必要なフリーランスなので、ベビーステップでだんだんできるようになれたらいいな、と思う。

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