実はちょっと前にコロナにかかってしまい、1週間ちょっと療養していた。熱が出たのは最初の2日ぐらいで、3日目ぐらいからだいぶよくなったのだが、後遺症なのか何なのかあまり体力がなく、合計で10日ほどゆっくりしていた(といっても、「文化系のための野球入門」連載を1本分提出したりしていたのだが……)。いまは1日1〜2回ぐらい散歩するところからリハビリをしている。
正直、8月中旬はいろいろ無理しすぎたなと思う。掃除もしていなかったし、仕事はずっとやっているのに進みが悪く、かつ野球で怪我をして肋軟骨にヒビが入っているのに真夏にダブルヘッダーに出たりしていた。自分の健康を過信しすぎていた。ある程度は歳でもあるわけなので過信は良くなかった…。
あと、休みをとっていなさすぎた。今回、1週間ぐらいは休めたのでそれは良かったと思う。執筆を仕上げるために絶対必要だけど読めていなかった本も2冊読めた。これでだいぶ見通しがついた。
インプットということでいうと、仕事のためのインプットをしていると結局体調に響くので、休んでいる間は、全然関係ないのも見ていた。「100分de名著」で見たい回がいくつかあったのだが、新渡戸稲造『武士道』、『アラビアンナイト』、メアリー・シェリー『フランケンシュタイン』、ハンナ・アーレント『全体主義の起原』などの回を見た。ちなみに『フランケンシュタイン』回はめちゃくちゃ面白い! そんな話だったの!?と思った。『アラビアンナイト』の回も良かった。
ハンナ・アーレントは、うーん…という感じだった。アドルフ・アイヒマンの「凡庸な悪」というコンセプト、ミルグラム実験などは「まあ、そうだよな」とは思うのだが、なんとなくあらかじめ設定された解に誘導しようとしているロジック・心理学実験な気がしてしまう。
ところで、トルストイの『戦争と平和』のBBC版(2016年製作)が、Amazon Primeにあるのを発見して、パラパラと見ている。「100分de名著」でも『戦争と平和』回があるので、その解説も見ながら。
思ったのは、『戦争と平和』は、おそらく『風と共に去りぬ』の元ネタであろうということだ。『風と共に去りぬ』は朝ドラの元ネタ(戦後復興を生き抜く女の一代記)だというのが僕がよく主張している仮説なのだが、マーガレット・ミッチェルはおそらく『戦争と平和』を元ネタにしている。
ちなみに昔、LIGブログで『風と共に去りぬ』について書いたのを思い出した。今思うとよくこんな記事を、企業のオウンドメディアで書いてたなと思う。→『風と共に去りぬ』と差別とフェミニズム、そして小さな事業部を成長させるために必要なこと この記事のシリーズは実は微妙に好評で、某有名Webメディアで「この路線で書きませんか?」という提案をもらっていたのだが、塩漬けにしている…。執筆が終わったらまた自分から連絡とってみようかなぁということを思い出した。
『戦争と平和』は、『イエスタデイ』などに出演したリリー・ジェームズが出ている。BBCの本気という感じで、ポワロシリーズみたいにロケーションがめちゃくちゃ豪華。ロシアの雄大な自然と、哲学的なテーマが、メロドラマにくるまれて展開される。キリスト教的だけど、アジア的な汎神論的なテーマも見られてロシア的だなと思うし、しかし世俗的なメロドラマでもあり、革命フランスの理性への憧れというモチーフも見られる。なかなかに絶妙なバランスで成立しているなと思う。
アウトプットばかりだと、疲れてしまうし、病気にもやられるな〜と思った。今回しっかり心身を休められたので、体力をつけて、頑張って仕事に取り組む期間をつくっていけたらと思う。
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